クラシエ薬品は8月8日、「夏場の更年期に関する実態調査」の結果を発表した。調査は2024年7月8日~7月10日、更年期症状の有無を自覚している45~54歳の女性412名を対象にインターネットで行われた。

更年期女性の83.9%が「夏」に更年期症状が気になると回答

今年の夏の時期に気になる心身の症状に対する悩みについて尋ねたところ、更年期関連の症状について1つでも気になると回答した人は83.9%にのぼった。この結果から、45~54歳の女性の多くが夏場に起きる更年期症状に不安を抱えていることがうかがえる。

なお、 更年期関連の症状には、肩や首筋のこり、めまい、動悸・息切れ、頭痛、耳鳴り、体力の低下・疲れやすい、冷え性、肌のしみ、ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)、月経不順、イライラ、抑うつ気分、不眠・眠れない、不安感・恐怖感がある、怒りっぽい・不機嫌になる、夜中に目が覚めるといった症状を含む。

  • 今年の夏の時期に気になる体/心の症状・お悩みについて、あてはまるものをすべてお選びください

夏場は「ホットフラッシュ」「めまい」の発生が多数

続いて、季節によって発生する更年期症状に違いがあるのかを探るため、「直近1年以内に感じた体の不調・お悩み」に対して、その不調がいつ発生したのかを尋ねた。その後、回答の中から、更年期関連の症状の回答率を季節ごとに集計した。

  • 夏(6-8月)に発生する「体・心の不調」

まず、夏場の更年期症状をみてみると、「ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)」が20.4%と最も多い結果となった。「ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)」は、1日における体感温度の急激な変化などによって引き起こされる自律神経の乱れから生じやすいと考えられるという。夏は通常でも汗をかきやすい時季のため、暑さによる発汗とホットフラッシュによる多汗が相まって不快感を覚える人も多いようだ。次いで「めまい」(12.2%)、「体力の低下・疲れやすい」(8.8%)が挙げられており、ホットフラッシュと同様に自律神経の乱れなどが一因と考えられる"夏バテ"のような夏特有の不調事情がうかがえる結果となった。

春も夏同様「ホットフラッシュ」が、秋冬は「冷え症」がトップに

  • 「体/心の不調・お悩み」が発生した時期

次に、春夏秋冬の季節ごとに更年期症状を比較したところ、季節による差が見られる結果となった。特に、ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)は他の季節と比較しても、群を抜いて夏場に発生しやすいことがわかる。一方、秋・冬にかけては「冷え症」が1位という結果になった。中でも、冬場の冷え症は2位のホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)に比べ30%以上多く発現しており、季節ごとの環境、特に気温の変化が更年期関連の症状に影響している様子がうかがえる。

更年期の各症状が発生した季節によって、対処法を変えている人は平均1割

また直近1年以内に感じた「体/心の不調・お悩み」が発生した時期によって、対処法を変えているか尋ねたところ、対処法を変えていると回答した方は各症状において平均約1割程度と低く、発生時期によって対処法を変えている人は非常に少ないということがわかった。

  • 「体/心の不調・お悩み」が発生した時期によって、対処法を変えたり、使い分けしたりしていますか

夏の更年期症状を乗り越える方法は?

夏の時期の「ホットフラッシュ」は内的要因(女性ホルモンの減少や自律神経の乱れによる急な発汗)に外的要因(気温の暑さによる発汗)も加わるため、体内の水分が大量に出てしまうことから熱中症のリスクが高まる危険性があるという。このように、更年期症状の中には季節性の体調不良を助長してしまうものもあるため、季節によって対処方法を変えた方が良いものもあると考えられるそうだ。

急にカーっと熱くなる、汗が止まらなくなるという「ホットフラッシュ」がある人は、体を冷やし過ぎないよう、気をつける必要がある。外との温度差や冷え過ぎはかえって自律神経のバランスを崩し、更年期症状を助長させる可能性も。また、屋外だけでなく、冷房の効いた涼しい部屋でも汗をかくことがあるため、脱水症状にも注意が必要。いつもより水分を多めに摂ることを心がけたい。

  • 「ホットフラッシュ」がある人は、冷え過ぎと脱水症状に要注意

「睡眠」は疲労回復に一番効果的な方法だという。睡眠不足は自律神経のバランスを乱すため、更年期症状を助長する原因にもなる。睡眠不足を防ぐために、湯船に浸かり、寝室の冷房を付けて寝苦しさを解消するなど、睡眠の質を高める工夫ができる。夜間に十分な睡眠がとれなかった場合は、15分ほどの短い昼寝が推奨されている。

  • 質の良い睡眠で効果的に疲労を回復

夏は暑さで食欲が低下したり、冷たいものやさっぱりしたものを選ぶなど、栄養が不足しがち。効率よく疲労を回復させるためには、栄養バランスの良い食事が大切だという。また、冷たい食べ物は胃腸の働きを鈍らせ、消化吸収を妨げるため、摂り過ぎには注意。辛みのあるものは食欲を増進させる効果があるため、スパイス料理もおすすめだという。