LINEヤフーが提供する「ヤフー・データソリューション」は8月8日、夏の気温の高い日に検索されているキーワードから、暑い日の人々の関心事を分析したレポート「なぜ東京で熱中症の検索割合が高いのか」を公開した。

気温推移と相関係数が高いキーワードは、東京では「かき氷」

日ごとの検索人数と気温推移との相関係数を計算し、気温が高くなった時にどのようなキーワードが検索される傾向があるかを探った。東京23区で特に相関係数が高い上位10キーワードを抽出したところ、「かき氷」関連の検索が多く、地域ごとの店舗を調べていることがうかがえる。また、「夏バテ」や「あせも」といった季節特有の症状や、「エアコン」のトラブルについて検索されていることもわかる。

  • 7月から9月の週末、祝日、お盆(2020年~2024年)、利用データ:Yahoo!検索、気象庁 過去の気温データ

次に、東京23区に加えて札幌市、京都市、福岡市でも相関係数の算出を行い、上位100キーワードをカテゴリに分類し、カテゴリごとの各都市での検索人数割合を出したところ、「かき氷」に関するキーワードで検索されているのは東京独自の特徴であることがわかった。各都市で異なる傾向が見られ、それぞれの気候や文化などが反映されていることが見て取れる。

  • 7月から9月の週末、祝日、お盆(2020年~2024年)、利用データ:Yahoo!検索、気象庁 過去の気温データ

東京23区は熱中症をはじめ、他都市に比べて症状に関する検索が多く見られる。かき氷の検索が非常に多い一方で、夏野菜や麺類の検索は他都市に比べ少ない傾向がある。

札幌市は、他都市と比べてエアコンへの関心が高いことが見て取れる。また気象に関心を持っている人が若干だが他都市よりも多そう。札幌は夏も比較的涼しい日が多いことから、暑い日には対処法を探している可能性がありそうだ。

京都市は水辺のレジャー(プールや海・湖)への関心が高く、水辺での過ごし方が好まれている可能性がある。あせもや夏バテに関する検索が少ない傾向もみられた。

福岡市は山や川などの自然の中でのレジャーが検索されており、また夏野菜に関する検索も多い傾向に。日焼けへの関心が高く、屋外で活動する機会が多い可能性がうかがえる。

東京23区内で検索を行ったユーザーは、過半数が遠方からの来訪者

ヤフー・データソリューションが提供する分析ツール「DS.INSIGHT」の、人流データをもとに人々の行動範囲などを分析できる「Place」機能を使用し、先の気温と相関係数が高い上位100キーワードを検索したユーザーがどこから来訪しているか調査したところ、東京23区では隣接する都道府県からの来訪者が21%、それ以外の遠方からの来訪者が52%となった。来訪者についてさらに分析を進めると、郊外の観光施設に足を伸ばしているなど、行動範囲が広めであることもわかった。

このことから、観光目的で訪れたユーザーが東京を満喫しようと普段よりアクティブに行動することによって、熱中症などの症状が普段以上に現れやすくなったり、かき氷を求めていたりする可能性が推測される。