韓国の大ヒットドラマ『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』(18~19年)を世界初リメイクするテレビ朝日系木曜ドラマ『スカイキャッスル』(毎週木曜21:00~)が、現在放送中だ。主演・松下奈緒をはじめ、木村文乃、比嘉愛未、高橋メアリージュン、小雪という豪華キャストを迎える今作は、世にも優雅な佇まいとは裏腹に燃えたぎる野心、猛烈な見栄とプライド、誰にも言えない秘密を抱えた、美しきセレブ妻たちのドロ沼マウントバトルを描くギラギラでドロドロ=“ギラドロ”サスペンスミステリー。8日放送の第3話では、長女・浅見瑠璃(新井美羽)が心酔する敏腕受験コーディネーター・九条彩香(小雪)との再契約に安堵するセレブ妻・浅見紗英(松下奈緒)だったが、九条は瑠璃を超難関校合格に導くため、恋の三角関係を利用しようと計画して……という展開が描かれる。
今回は、担当した生徒を100%志望校に合格させるミステリアスな受験コーディネーター・九条彩香を演じている小雪に、今作の魅力や役どころについて話を聞いた。
強烈に印象に残った原作ドラマ
――小雪さんは、過去に原作ドラマを見たとのことですが、日本版としてリメイクすると聞いて、どんな印象を持ちましたか。
原作ドラマは、脚本もキャスティングもすべてが素晴らしく、強烈に印象に残っています。韓国ならではのエッセンスを日本の文化に落とし込んで、原作を知っている方にこれが日本版としてのベストだと納得していただけるドラマに仕上げるのは、すごく難しいだろうなと思いました。学歴社会、格差社会での争いのし烈さは日本と韓国で違っていて、見栄や欲、恨みつらみなどの激しい感情は日本人がなかなか持ち合わせていないもの。そのディープな部分をどのように日本人が違和感を覚えず楽しめる作品にしていくのか、その作業は大変だけど、醍醐味でもあるだろうなと。そして私が演じる九条は、原作では素晴らしい女優さんが演じられていて、いち視聴者としてすごく楽しませていただきましたし、その完成された人物像を私が表現できるかどうか、プレッシャーも感じました。
いいさじ加減で原作の魅力を反映
――撮影も進んでいるかと思いますが、日本版の魅力を教えてください。
話数でいうと、原作の3分の1以下のボリュームに収めていかなければいけないので、詰め込んで、盛りだくさんで描かれているのですが、台本からも、丁寧に物語を描こうと努力されたんだろうなと感じることができました。日本人は、髪の毛をむしり合うような掴み合いの喧嘩をすることはなかなかないですし、メープルシロップをかけられるようなこともないので(笑)、その辺りの原作の表現は、日本に合わせてマイルドになっているなと。それでもセリフはしっかりと強いので、いいさじ加減で原作の魅力が反映されていると思います。
――九条を演じていて楽しいところは。
九条は差別主義者なので、楽しいかどうかと言われると、ポジティブな感情でできる役ではないかもしれませんが(笑)。“自分の信念を正しいと思って生きている人”に見えるよう、気をつけて演じていて、その役作りは楽しんでいます。偏った信念を持つ九条が、欲望の塊である紗英(演・松下奈緒)を翻弄していく様子で、見る人の目に焼き付ける作品になればうれしいです。
松下奈緒の体当たりの芝居が見どころ
――娘のためならどんなことでもする紗英ですが、小雪さんも同じ母親として共感できるところはありましたか。
よく分かりません(笑)。“どんなことでも”の度を超えていて、紗英はすごいですよね。そんな紗英という難しい役柄を体当たりでやってらっしゃる松下さんのお芝居が、なかなか日本のドラマでは見られないシーンを作っているんじゃないかと思います。
――では最後に、今後の見どころを教えてください。
九条は、「こんな人いるかな?」と非現実的なようで、いろいろな思いを馳せられるキャラクターだと思いますので、最後まで注目していただけたらうれしいです。韓国ドラマは、自分の欲や、他人に普段は見せないような感情、心のひだのようなものを描くのが上手。原作のそんな魅力をうまく表現できれば、視聴者の方に共感していただける作品になるんじゃないかと願って、日々撮影しております。
――ありがとうございました。引き続き楽しみにしております。
1976年12月18日生まれ、神奈川県出身。モデルとしてデビューし、98年にドラマ『恋はあせらず』で俳優活動を開始。以降、映画『ラスト サムライ』『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズ、ドラマ『アンティーク ~西洋骨董洋菓子店~』『きみはペット』『全裸監督』『サンクチュアリ -聖域-』、NHK連続テレビ小説『ブギウギ』など、数々の作品に出演。
メイク:若林幸子(MARVEE)、スタイリスト:カドワキジュン子(impress+)