米Googleは8月6日(現地時間)、AIモデル「Gemini」を利用したスマートホーム向けの新機能を発表した。Geminiのマルチモーダル能力や対話能力を活用して、より便利で直感的なスマートホーム体験の実現を目指している。
Nestカメラが詳細な状況を理解
Geminiのマルチモーダル能力により、セキュリティカメラ・システムのNestカメラが動体検知や人物認識だけではなく、より高度な状況理解に対応する。例えば、ペットの監視では、従来の「動物を検知」から「犬が庭を掘っている」というような具体的な状況を理解し、ユーザーに通知することが可能になる。これにより、リモート操作可能なスプリンクラーを庭に設置し、犬が穴を掘り始めた際にスプリンクラーで水を撒くといった対策を講じられる。
さらに、Google Homeアプリの検索機能で、「今日Fedexのトラックが通ったか?」とか、「子供が車の出入り口に自転車を置きっぱなしにしたか?」(子供の自転車の扱い方を確認)といった自然言語による検索が可能になり、カメラシステムの履歴から特定のイベントをより簡単に見つけ出せるようになる。
スマートホームのオートメーション作成が簡単に
Google Homeのオートメーションは非常に便利な機能だが、自動化には数多くの可能性があり、全てを把握して使いこなすのは難しい。新たに追加される「Help me create」機能は、オートメーション作成の複雑さを解決する。条件設定やアクション追加の必要はなく、「就寝時にドアをロックし、照明をすべて消す」というように、必要なオートメーションをわかりやすく説明するだけで、Google Homeがユーザーに代わって自動化をセットアップする。
オートメーションを利用した経験がなかったり、作成したいオートメーションが明確ではない場合でも問題ない。Google Homeは、ユーザーのデバイスに基づいて自動化できる内容を提案し、オートメーションの活用を支援する。
Googleアシスタントと会話
Geminiテクノロジーにより、Googleアシスタントがユーザーと自然に対話し、ユーザーの意図をより正確に理解できるようになる。例えば、「冥王星は惑星ですか?」と質問し(2006年に国際天文学連合は準惑星に分類)、さらに「再び考えを変える可能性はありますか?」といったフォローアップの質問に柔軟に対応するなど、文脈に基づいた会話的な対話が可能になる。また、Geminiの生成能力により、家族の会話を盛り上げたり、議論を広げる提案もGoogleアシスタントから得られる。
これらの新機能は、今年後半にパブリックプレビューに参加しているNest Awareの契約者を対象に展開し、時間をかけて改善を重ねながら拡大していく予定である。