2009年3月に放送がスタートしたTBSの昼の情報番組『ひるおび』(毎週月~金曜10:25~)が今年で15年を迎えた。8月12日~16日は「放送15周年特別Week“ニュースな現場”を深掘り!」と銘打ち、出演者が話題のスポットを取材するロケ企画を展開する。番組当初から長きに渡りMCを務める恵俊彰にインタビューし、この15年間を振り返ってもらった。
恵はこの15年間を振り返り「本当にあッという間の時間でした」と感想を述べると「1週間5日、1カ月で大体20日間。こういう番組をやっていると、毎日視聴率の結果なども出ますから、1日の勝ち負けもあり、1週間の勝ち負け、1年の勝ち負けもある。そんななか、今日が終わると明日……という形で繰り返している間に時間が過ぎたという感じです」としみじみ。
数字という側面があるなか、15年もの間番組が続いたのは、視聴者の支持があってこそだが、長く番組が続いた秘訣を問われると「いや、分からないですね」と苦笑い。それでも「情報番組なので、毎日何かが起こるわけです。今ならオリンピックをやっていますし、事件や事故、自然災害などなど。そのなかで、世の中の人が何に興味を持っているのかということにどれだけ気づけるかが、一つのポイントだと思います」と番組の持つ視点を強調する。
さらにもう一つ、恵自身が「興味を持っていること」に対してひたむきに取り組んでいるという。
「毎朝、スタッフの方にもお付き合いいただいて、2時間ぐらい打ち合わせをしています。そのなかで、自分が興味の持てることをやらせていただいている。番組を見ていただいている方なら分かると思いますが、僕は台本を見ながらやっていることがほとんどない。自分としては無理がない。重い荷物を背負っている感じがないんです。そこを評価していただけているとしたら、とてもうれしいです」。
「置かれた場所で咲きなさい」という言葉を大切に任された仕事を全う
恵はお笑いコンビ・ホンジャマカとしてデビューを果たすと、お笑いはもちろん、俳優、司会と幅広く活躍し、そのときどきで様々な顔を見せる。
恵は「よく『芝居をやっているときと、お笑い、司会業と何が一番楽しいんですか?』と聞かれるのですが、自分のなかの根本は何も変わっていないんです」と胸の内を明かすと「最近好きな言葉に『置かれた場所で咲きなさい』というのがあるんです。自分が与えられた場所でどれだけやれるのかというのが40代以降のテーマ。野球に例えるなら、みんな4番でエースを目指すのかもしれませんが、それぞれの役割がある。4番になりたくても1番バッターをやっている人もいる」と答える。
与えられた場所で自分の持てる力を全うする。その意味で「今はこの場所を与えられているのかな」と現状についての認識を述べる。決して情報番組をやっているからといってお笑いを自らセーブしているわけではない。
「この間、『FNS27時間テレビ 日本一たのしい学園祭!』(フジテレビ)にも出演しましたが、楽しんでやらせていただきましたから。(霜降り明星の粗品が恵に対して高圧放水を行うシーンで)水は浴びたくて浴びたわけではありませんが(笑)、呼んでいただけるのなら、もちろん喜んで行きたいです」。
そこにはタレントという仕事の特性もある。恵は「大竹まことさんに『俺たちの商売は呼ばれてなんぼ。呼ばれなくなったら終わりだよ』と言われたんです。どんなにやりたいと思っても呼んでもらえなければできないんですよね」としみじみと話し、「今はこの仕事が自分に合っているのかなと思うんです。コントをやっていた時代は、それを全力でやっていたし、面白かった。また求められて、自分のなかでもそういう気持ちになったらやるのかもしれません」と語った。