「背面が光るスマホ」で一躍有名になったNothing Technology(Nothing)。同社のスマートフォン「Nothing Phone」はモノトーンで仕上げたボディーやOSのユーザーインターフェースなどに特徴があり、機能を一番の売りにする他社のスマートフォンとは一線を画した存在です。同社はこれまで年に1機種しかスマートフォンを発表していませんでしたが、2024年に入り新製品を次々と投入しています。
まず6月に発表されたのが「Nothing Phone (2a) Special Edition」です。これは3月に発表された低価格モデル「Nothing Phone (2a)」の新色となります。Nothing Phone (2a)は先代モデルに倣い白や黒のモノトーンで本体をまとめ、背面のライティング機能「Glyph interface」はエリアを縮小しつつコストを下げた製品です。日本販売品はFeliCaも搭載しています。
Nothing Phone (2a) Special EditionはNothing Phone (2a)の背面をツートン仕上げとし、さらにカメラ周りをブルーに、そしてイエローとレッドの小さなパーツを組み合わせたデザインとなっています。これまでの上品な雰囲気を崩さずに、活動的、あるいは遊び心を加えたような仕上げ。これまた他のメーカーにはないデザインで、Nothing Phoneに興味を持つユーザーを増やすでしょう。
このSpecial Editionの日本発売に合わせ、7月には東京・原宿で2日間のスペシャルイベントが開催されました。それに来日したNothingのCEO、カール・ペイ氏はイベントに登壇し「AIが生活の中に溶け込む時代のプロダクトとはどうあるべきか」を話しました。ユーザーにとって感覚的な操作が可能で、さらにそれを美しく使いやすいものにするか」。Nothingはこの考えのもとに製品開発を行っており、Nothing Phone (2a) Special Editionはその流れから生まれたNothingの新時代の製品と言えるでしょう。
この新色の投入に引き続き、Nothingはさらに上位モデル「Nothing Phone (2a) Plus」も海外で発表しました。こちらは本体サイズはそのままにチップセットの性能をアップ。さらにNothing Phoneシリーズで初の5,000万画素のフロントカメラを搭載しています。
「Nothing Phone (2a)の価格は魅力だがもう少し高性能なモデルが欲しい」という声もあったでしょう。またSNSで日々写真を共有するユーザーからは、室内でもより綺麗に自撮りできるフロントカメラが求められていたと思われます。そしてこのような声を反映したということは、Nothing Phoneのユーザー数が確実に増えてていることを物語っていると言えます。新色のSpecial EditionとこのPlusモデルの登場は、Nothing Phoneユーザーをさらに増やす効果が期待されます。
さてNothingは2023年に別ブランドも立ち上げています。それがCMF by Nothing(以下CMF)で、これまでワイヤレスイヤホンなどが発売されました。CMFの製品はNothingブランド同様にシンプルなデザインながら、Nothingのプレミアム感ではなく逆にカジュアルな方向を目指しています。7月には待望のスマートフォン「CMF Phone 1」が海外で発売になりました。
CMF Phone 1は日本円で3万円台とかなり低価格で、背面の撮影カメラは5,000万画素を1つと機能は絞っています。一方、ネジ止めされた背面カバーは交換可能で、さらに背面右下にはアクセサリを脱着できる丸いパーツも備わっています。これを指で回してネジをはずし、スタンドやカードケース、ストラップを装着可能。スマートフォンを自分でくみ上げてカスタマイズするような楽しい体験ができるのです。
このようにNothingの製品は今年に入ってかなり増えました。できればこれらの製品を一度に触れるスペースがあればより多くのユーザーを増やすことができると思われます。実際に7月に原宿で行われた発表イベントは2日間だけでしたが多くの人を集めたようです。CMF Phone 1とNothng Phone (2a) Plusは日本では販売されませんが、それでも製品を見せることでブランド価値を浸透させる意味はあるでしょう。
ペイCEOによると、Nothing製品の日本での反応は高く、販売も好調だそうです。現在Nothingはイギリス・ロンドンにストアを構えていますが、日本でもぜひお店の展開をして欲しいと思います。