現在放送中のTBS系金曜ドラマ『笑うマトリョーシカ』(毎週金曜22:00~)で、玉山鉄二扮する鈴木俊哉の学生時代を演じている西山潤にインタビュー。田辺桃子、青木柚、濱尾ノリタカという同世代の役者たちとの共演について話を聞いた。
早見和真氏の同名小説を原作とする本作は、主人公の新聞記者・道上香苗(水川あさみ)が、若き人気政治家・清家一郎(櫻井翔)とその秘書・鈴木俊哉(玉山鉄二)を取り巻く黒い闇を追うヒューマン政治サスペンス。
清家と鈴木の謎めいた過去やルーツにつながる回想シーンも重要なパートとして描かれており、清家の学生時代を青木柚、鈴木の学生時代を西山潤、渡辺大演じる清家の後援会会長・佐々木光一の学生時代を濱尾ノリタカが務め、清家の元恋人である三好美和子(本名:真中亜里沙)を田辺桃子が演じている。
西山は田辺と同じ事務所で仲が良く、飲みに行くことも。そんな田辺との共演に、オファーを受けた時はとても喜んだという。
「田辺桃子はすごく好きな役者で、仲も良いですがライバルでもあって。今回、鈴木と美和子という、敵対ではないですが、そういう関係でガッツリ芝居があると聞いて、すごくうれしかったですし、負けたくない、負かしてやろうという気持ちがありました(笑)」
西山と田辺は、ともに猿田彦神社の婚礼のイメージモデルを務めたことがあるが、演技での共演は今回初めて。
「猿田彦神社の広告で結婚する夫婦として撮影しました。その時はスチールだけの撮影だったので、今回やっとお芝居で共演できて本当にうれしかったです。事務所の中で一番連絡を取っているかもしれません。飲みに行って芝居の話をしたり。すごく熱い人なんです」
鈴木と美和子が睨み合うシーンもあったが、自身の田辺への思いも乗せて演じられたと振り返る。
「鈴木と美和子としてバチバチしているシーンでありながら、役者としても絶対に負けないからなという思いがあり、僕からは絶対に目をそらさないぞと。西山潤としても田辺桃子に負けたくないという気持ちがいい具合にマッチした気がします」
喫茶店で初めて鈴木が美和子に会うシーンにまつわるエピソードも明かしてくれた。同シーンでは、美和子の不気味な笑顔が印象的だったが、西山は田辺の演技に引き込まれたという。
「台本のト書きに『美和子が下品な笑顔を鈴木に向ける』とあって、それを見た時に思わず写真を撮って『桃子の下品な笑顔が楽しみだ」と送ったら、『鈴木も難しいね。楽しみだよ』と返ってきました(笑)。この間までほかの作品ですごくかわいい役を演じていたのに、今回はタバコも吸って全然違う役になり、改めて田辺桃子って面白い役者だなと思いました」
田辺とは事前に演技について話し合うことはあまりないとのことだが、「潤の目力いいね。玉山さんだね」という言葉をかけてもらったと明かした。
青木と濱尾とは今回が初共演。「以前から当然知っている役者さんだったので、今回共演できると聞いてうれしかったです」と喜び、「90年代後半の高校生を生きられることはなかなかない経験なので、それもシンプルにうれしかったです」と学生時代の鈴木役にとてもやりがいを感じているようだった。
1998年7月12日生まれ、神奈川県出身。2006年に映画『サイレン~FORBIDDEN SIREN~』でデビュー。映画『20世紀少年』(08~09)では主人公・ケンヂの幼少期を演じる。近年の主な出演作はドラマ『ドラゴン桜』(21)、『初恋の悪魔』(22)、『ホスト相続しちゃいました』『VIVANT』『どうする家康』『こういうのがいい』(23)、『好きやねんけどどうやろか』(24)、映画『風の奏の君へ』(24)など。