国土交通省は2日、都市鉄道の混雑率調査結果(2023年度実績)を公表した。東京圏では、日暮里・舎人ライナーに次いで東京メトロ日比谷線が混雑率の高い路線に。他にも東京メトロ・東京都交通局の複数の路線で混雑率150%前後となっている。

  • 東京メトロ日比谷線の車両13000系

日比谷線の最混雑区間は三ノ輪駅から入谷駅までとされている。コロナ禍前の2019年度、7時50分から8時50分まで輸送力2万7,216人(8両×27本)に対し、輸送人員4万3,068人で混雑率158%だった。2020年度はコロナ禍の影響を受けたものの、2021年度は混雑率127%、2022年度は混雑率135%に。2023年度は輸送力2万7,945人(7両×27本)に対し、輸送人員4万5,271人で混雑率162%。コロナ禍前の混雑率を上回り、輸送人員の増加で混雑が激化した状況を感じさせる結果となった。

東京メトロの他路線における2023年度の混雑率を見ると、日比谷線に次いで高かった千代田線は町屋駅から西日暮里駅まで混雑率150%、東西線は木場駅から門前仲町駅まで混雑率148%、有楽町線は東池袋駅から護国寺駅まで混雑率148%、南北線は駒込駅から本駒込駅まで混雑率146%、丸ノ内線は新大塚駅から茗荷谷駅まで混雑率142%。東西線はコロナ禍前まで混雑率199%で全国ワーストだったが、当時と比べて輸送力が増加(2019年度は3万8,448人、2023年度は4万500人)する一方、輸送人員は減少(2019年度は7万6,388人、2023年度は5万9,940人)している。

  • 東京メトロ南北線の車両9000系。昨年、1編成が8両編成化された

南北線は2022年度に混雑率140%とされ、東京メトロで最も混雑率の高い路線だったが、2023年度から一部列車を8両編成とするなど輸送力を増強。2022年度の輸送力1万6,834人(6両×19本)に対し、2023年度は輸送力1万8,042人(6.4両×19本)となっている。輸送人員も前年度より増加したが、日比谷線などの混雑が増した影響もあり、同社内における南北線の順位は下がった。

なお、東京メトロの路線で唯一、銀座線のみ2023年度の混雑率が100%を下回り、赤坂見附駅から溜池山王駅まで混雑率98%となった。都営地下鉄も見ると、2023年度の混雑率が最も高かった路線は都営大江戸線で、中井駅から東中野駅まで混雑率152%。次いで都営三田線(西巣鴨駅から巣鴨駅まで)・都営新宿線(西大島駅から住吉駅まで)の混雑率140%、都営浅草線(本所吾妻橋駅から浅草駅まで)の混雑率120%という順だった。