そこに颯爽と現れたのが、刑事課長・神宮寺剣!その姿に再び観念した龍崎は、「しばらくシャバに戻れそうにないから、一杯だけいいかしら」と頼む。神宮寺は「どうぞ」と椅子を勧め、龍崎は最後の一杯をこう注文した。「こいつらには一番高い酒を。私には、マダムロシャス」・・・マダムロシャスってなに?バーテンも戸惑うばかり。竜崎がまた凄む。「マダムロシャスも知らないなんて、あんたほんとにバーテンなの?」
ここで神宮寺がピキーッと反応。独特のプロファイリングが始まった!
「ふるさとは、ただひとつ!そこは障子紙や書道用紙の出荷額が日本一!自転車用ヘルメットの着用率も日本一!さらに、日本で初めて天然ダイヤモンドを産出した県!」
「あなたは、愛媛県民だ!」と指差す神宮寺に、「なんでわかったの!」とめちゃ悔しがる龍崎。出身県を当てられるとなぜ悔しがるのか?
神宮寺が解説する。「一般的に、カシスとグレープフルーツを混ぜたカクテルはカシスグレープと呼ぶ。だがそれをマダムロシャスと呼ぶのは、愛媛県民の証だ!」えー?!そうなの?
「メニューにマダムロシャスって載ってます」ホントですかぁ?「一般常識!」
今度はほろ酔いのマダム&ムッシュに聞くと「マダムロシャスの話?」と食いついてくる。カシスグレープでは?「なんで知らんの?!」と叱られてしまった。
カシス+ソーダは?「カシスソーダ!」カシス+オレンジは?「カシスオレンジ!」ではカシス+グレープフルーツは?
愛媛の県庁所在地・松山市の夜、あちこちお店を回って聞いてみた。バーでも「このお店ができた25年前からマダムロシャスでしたね」
大衆居酒屋でも「マダムロシャスです!」カラオケボックスでも「マダムロシャスになります!」ガールズバーでも「マダムロシャスいただきまーす!」
なぜ愛媛県民はマダムロシャスと呼ぶのか?
神宮寺が解説する。「そのネーミングのきっかけになったものがある。」と出してきたのは、香水!そのラベルには、マダムロシャスと書かれているぞ!
龍崎は「愛媛県民っておっちょこちょい」とため息をつく。
愛媛県民はその名の由来を知っているのか?おねえさん二人連れに聞くと「ロシャスってなに?英語?」「ロシャスは英語じゃない、飲み屋語?」と漫才みたいな会話になった。
それにしても、カクテルの名前にも県民独特の呼び名があるとは!県民文化は奥が深いなあ!