ドラマや映画、舞台など、さまざまな作品で活躍している多部未華子。ディズニー&ピクサー最新作『インサイド・ヘッド2』(8月1日公開)では重要な新キャラクター・シンパイの声を演じた。さまざまな感情をキャラクターにして人の頭の中に広がる“感情たち”の世界を描く本作に参加した多部にインタビューし、自身の感情について、また今の役者業への思いや今後の抱負を聞いた。

  • 多部未華子

    多部未華子 撮影:蔦野裕

本作の主人公は、思春期を迎え、高校入学という人生の大きな転機を迎えた少女・ライリー。そんな彼女を子供の頃から頭の中で見守ってきたヨロコビ、カナシミ、ムカムカ、ビビリ、イカリの5つの感情たちの前に、新たにシンパイ、イイナー、ダリィ、ハズカシという4つの“大人の感情”が現れ、感情の嵐が巻き起こる。

“大人の感情”たちのリーダー的存在で、最悪の将来を想像してあたふたと必要以上に準備してしまうシンパイ役を務め、ディズニー&ピクサー作品の声優に初挑戦した多部。もともととディズニー&ピクサー作品が大好きで、前作『インサイド・ヘッド』も映画館で見たという多部は、本作参加を「とてもうれしかった」と喜んでいる。

アフレコではクセのある声を意識して演じたという。

「オリジナルの英語版のシンパイの声がハスキーボイスで、日本語版もクセのある特徴のある声がいいとのことだったので、自分ができる範囲のクセのある声ってどんな感じかなと思いながら試行錯誤して作っていきました」

性格を形作るのに大切な頭の中の感情たち。多部は自身の性格について「飽きやすくて、せっかちで、好奇心が強い」と捉えている。

  • (C)2024 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

また、本作に登場する感情たちの中で、多部の頭はヨロコビが多くを占めていると言い、「最近は特に楽しくハッピーに生きています」と喜びを感じる瞬間が増えているという。

「目まぐるしい日々であっという間に1日が終わりますが、楽しかったなと思うことのほうが多いです。お仕事しているときも楽しいですし、子供と1日過ごしている時も大変だけど楽しいですし、どっちも楽しめている感じが、自分の飽きやすい性格にはすごく合っているのだと思います」

主人公のライリーは、成長する中でいろいろな感情が芽生えていくが、多部は年齢を重ねて気持ちの変化をどのように感じているのだろうか。

「基本的な性格はあまり変わっていないと思いますが、年齢を重ねるにつれて開き直れるようにもなりましたし、図々しくもなりましたし、諦めも早くなりました。何があったからというわけではないですが、いろんな経験をしてきて、ライリーのように感情が増えたのだと思います」

子育てとの両立で仕事のありがたさをより実感「本当に貴重な時間」

2002年に女優デビューしてから22年活動を続けている多部。今の仕事に対する思いを尋ねると、「今は育児と仕事をバランスよくやろうと心に決めていて、うまくバランスをとれるように頑張っている最中です」と答えた。

「昔はずっと働いていましたが、今はそういうわけにもいかないので、仕事をしている時間が本当に貴重な時間だと思うようになって、よりありがたさを知ったというか、より楽しもうと思うようにもなりました。昔より疲れたなと思うこともありますが、それすらも貴重に感じて。物理的に時間が限られてきて、考え方が変わった気がします」

  • 多部未華子

母親になったことは俳優業にもプラスになっていると感じているそうで、「人生経験が役者の表現につながる部分があると思うので、家族ができたことだけでなく、プライベートで起こったいろんな出来事や感情すべてが生かせる仕事だなと思います」と語った。

これまでの大きな転機を尋ねると、「節目の時に何かしようと思う性格なんです」と言い、「20歳の時に一人暮らしを始めて、30歳の時に結婚したいと思い、40歳で何を思うんだろうと今思いました(笑)。何か思いそうですよね。一軒家を建てるとかかな? 全くわからないですけど、何かあると思います」と笑顔を見せる。