三井記念美術館は9月14日から、特別展「文明の十字路 バーミヤン大仏の太陽神と弥勒信仰 ―ガンダーラから日本へ―」を開催する。会期は11月12日まで。
バーミヤン遺跡は、アフガニスタンの首都・カーブルから西北西に約120㎞、標高2500mの高地にある。約1.3㎞にわたる崖には、東西に高さ38mの「東大仏」と高さ55mの「西大仏」がそびえ立ち、800近い石窟群が掘られていた。
同展では、東西二体の大仏を原点とする太陽神と弥勒の世界に迫る。特に「未来仏」である弥勒信仰の流れを、インド・ガンダーラの彫刻と日本の法隆寺など奈良の古寺をはじめ各所に伝わる仏像、仏画等の名品でたどっていく。
バーミヤン遺跡の東西大仏の周囲には、壁画が描かれていたが、2001年にイスラム原理主義組織・タリバンによって大仏とともに破壊された。今回は、破壊前に行われた調査での写真・スケッチをもとに描き起こした図を東京で初公開する。
そのほか、『西遊記』の三蔵法師のモデルとして知られている唐の仏教僧・玄奘の旅行記である『大唐西域記』、太陽神として後世まで信仰されたスーリヤの像も公開する。
入館料は一般1,500円、大学・高校生1,000円、中学生以下無料。70歳以上は1,200円(要証明)。