世界同時期放送&配信がスタートした『ウルトラマンアーク』(テレ東系 毎週土曜9:00~)は、子どもたちの「夢見る力」をかきたて、希望に満ちた明るい未来への懸け橋となる作品を目指した、ウルトラマンシリーズ最新作である。
本作の世界観は、16年前に世界各地で巨大怪獣が出現した「K-DAY」と呼ばれる事件がきっかけとなって、怪獣災害が日常化した……というもの。地球防衛隊が怪獣への武力対応を行う一方で、怪獣防災科学研究所・通称「SKIP(スキップ)」は怪獣災害の発生や甚大化を防ぐため、地域に密着して科学調査や避難誘導を担当する。主人公・飛世ユウマ(演:戸塚有輝)はSKIPの新人調査員として活動を行っているが、怪獣の脅威が人々に及びそうになったとき、神秘の光に包まれてヒーロー・ウルトラマンアークに変身する。
今回は、SKIP調査員・夏目リンを演じる水谷果穂にインタビュー。天才的なプログラマーでメカに強く、所内でシステム担当や機器開発を務めるリンは、AIロボ「ユピー」の開発者でもある。明るくサッパリした性格で、ユウマの頼れる先輩として怪獣相手に活躍を見せるリン。すでにさまざまな作品で存在感を発揮し続けている水谷から、特撮ヒーロー作品の雄・ウルトラマンシリーズに出演する際の心がまえや魅力、作品の見どころを語ってもらった。
『ウルトラマンアーク』SKIP調査員・夏目リンを演じる水谷果穂
――水谷さんは子どもの頃、ウルトラマンシリーズをご覧になっていましたか?
ウルトラマンという存在は知っていましたが、うちは女きょうだいしかいなかったこともあって、積極的にテレビで観ていた記憶はないんですよ。今回『ウルトラマンアーク』のオーディションを受ける際、参考のために『ウルトラマンブレーザー』を観てみましたけれど、私が知っているウルトラマンと比べてずいぶんイメージが違っていて驚きました。でも、今回のウルトラマンアークはブレーザーとは真逆というか、昔のウルトラマンっぽい印象があって、少し安心しました。
――“ウルトラマン”といっても、タロウやエース、トリガーやデッカーなどたくさんの仲間たちが存在しています。水谷さんがいまパッと思い浮かぶウルトラマンはどのイメージですか。
ウルトラマンと聞いて思いついたのは“ウルトラの母”ですね。おさげ髪みたいなデザインがかわいいなと(笑)。いつかイベントなどがあれば、ぜひ会ってみたいです。
――SKIPは怪獣が巻き起こす災害からの避難誘導や、怪獣の生態を研究する団体という設定だそうですね。怪獣と戦うチームではない、SKIPの設定についてどんな印象を持たれましたか。
まったくのフィクションとは違う、リアリティが感じられる設定だと思いました。台本にあるリンの動きも、怪獣を食い止めることよりも人々の安全を守ることに重点を置いています。たとえば山から獰猛な動物が下りて来て、人家を襲ったら周辺の人々はどう対応するかとか、お芝居もそういったリアルな感覚に寄り添っていて、テレビをご覧になる方も身近に感じられるのではないでしょうか。
――いわゆる防衛チームのユニフォームとは雰囲気の異なる、リンの衣装についてはいかがですか。
今着ているオーバーオールは、まず動きやすいことと、ポケットがいくつかついていて機能的だという利点があります。リンは機械をいじることが多いので、ポケットは大事なんです。歴代ウルトラマンシリーズだと、もっと戦闘服みたいなカッコいいコスチュームの印象が強く、撮影が始まる前はそういう服が着られるかなと期待していたところもありましたから、この普通っぽい格好はちょっと寂しかったんですけど(笑)、これがSKIPというチームにピッタリだなって、すぐに思うようになりました。
怪獣と接し「私はウルトラマンに出ているんだなあ」
――SKIPの星元市分所長・伴ヒロシを演じる西興一朗さん、後輩調査員の飛世ユウマ役・戸塚有輝さん、そして特別調査員の石堂シュウ役・金田昇さん、メンバーそれぞれの印象を聞かせてください。
西さんは役柄と同じく、とても気さくでフレンドリーな方。私も有輝くんも昇くんも、自分からグイグイ行けるタイプじゃないのを分かってくださって、積極的に話題をふってくださったりするんです。SKIPの4人はいつも一緒にいるので、すぐに仲良くなりましたけど、各エピソードでいらっしゃるゲスト俳優の方々に対しては人見知り気味になるので(笑)、そんなとき西さんがみんなでお話できる空気をさりげなく作ってくださって、お気遣いが本当にありがたかったですね。
西さんのいいところ、まだあるんですよ。私が何気なく話していた「好きなお菓子」のことを覚えていて、後日「これ好きって言ってたでしょ」って、たくさん買ってきてくださったこととか(笑)。それを食べて、元気を出していました。有輝くんと昇くんは、2人ともいい意味でひねくれていて(笑)。話していても掘り下げがいがあって楽しいんです。けっこう、独特なことを考えている2人。私も含めて、みんなマイペースでゆるい感じが共通していて、波長が合っているんです。
――リンが開発したというAIロボット・ユピーとリンとのかけあいも多いとうかがいました。
ユピーは本当にかわいいんです。しゃべり方もおっとりしていて、とても愛らしい。リンと一緒にいるときは、まるで姉弟みたいな感じでやりとりをしています。SKIP全体が家族的な雰囲気ですし、ユピーもその一員として、みんながひとつになっていました。
――出演してみて改めてわかった“ウルトラマンシリーズ”の魅力は何でしょう?
撮影の合間に、特撮の現場を見学させていただいたことがありました。怪獣が壊すビルや道路などのミニチュアセットがとても精密で、感動しましたね。オールCGではなく、実際に作り込まれたミニチュアのリアリティと凄み、これは大きな魅力だと思います。また、リンとしては実際に人間大の怪獣と接するシーンもありましたし、そんなとき「私はウルトラマンに出ているんだなあ」と実感できて、とても楽しかったです。
――『ウルトラマンアーク』への出演で、怪獣が好きになったりしましたか?
お気に入りの怪獣、いますよ! でも、それはこれから出てくる怪獣なので、今は申し上げることができませんけど(笑)
――今回『ウルトラマンアーク』に出演する前と、出演した後では、水谷さんの中でどんな変化がありましたか。撮影を経て、身についたことがあれば教えてください。
いろんな能力を持った怪獣に対処しないといけませんから、ふだんのような人間相手のお芝居よりもちょっとオーバー気味に表現をしなければ、と努めてきました。だから『ウルトラマンアーク』出演によって、自分を開放する力が身についたかもしれません。以前に比べて、感情表現が豊かになったような気がします(笑)
――放送が始まると同時に、子どもたちと直接ふれあうイベントがいくつか予定されているとうかがいました。たくさんの子どもたちにリンとして出会うことについて、どんな思いを抱かれますか。
私も幼いころ、母親に連れられて遊園地のキャラクターショーを観に行った思い出がありますから、今度は私が出る側になるんだなと思うと、ワクワクしてきますね。子どもたちから声をかけてもらったら、感動して涙がこみあげてくるかも……(笑)。小さな子たちと接するのは好きですので、みんなと仲良くなりたいですし、何年経っても思い出してもらえるような、印象に残る存在になりたいです。
――最後に『ウルトラマンアーク』の見どころをお願いします。
まるで自分の住んでいる町にSKIPが来ているかのような、親しみやすさ、身近さを感じられる作品です。どんなに大変な状況に置かれても精一杯頑張るユウマの姿を観て、子どもたちが「ユウマみたいになりたいな」って、憧れてくれたら嬉しいですね。SKIPメンバーのホンワカした雰囲気も『ウルトラマンアーク』の特色ですので、そういうところも含めて、最終回まで存分にお楽しみいただければと思います!
■水谷果穂
1997年11月3日生まれ。静岡県出身。2012年に芸能界入りし、NHK連続テレビ小説『なつぞら』(19年)、ドラマ『ブラックペアン』シリーズ(18年・24年)、『VIVANT』(23年)、ドラマ・映画『イチケイのカラス』(21年・23年)などに出演。他にもバラエティ、ラジオと多方面で活躍。2015年に写真集『水谷果穂』を発表し、2017年には歌手デビューを果たしている。