猛暑の時期は「タイヤのバースト」が多発!?その原因と事前に防ぐための対処法を専門家が解説
TOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」内でお送りしている「JA共済 presents なるほど!交通安全」。7月19日(金)放送のテーマは“タイヤのバースト”について。モータリング・ライターの藤田竜太さんに、タイヤがバーストする原因、バースト予防について伺いました。


※写真はイメージです



◆タイヤの「パンク」と「バースト」の違い

本格的な夏が到来して非常に暑い日がしばらく続きそうですが、これからの時期に気を付けたいのが“タイヤのバースト”です。

そもそも、タイヤのパンクとバーストはまったくの別物です。パンクはタイヤの空気が徐々に抜けていく現象を指しますが、バーストはタイヤの接地部などが破裂して、構造そのものが壊れる現象のことで、バーストしたときに大きな破裂音を伴うのも特徴です。

タイヤがバーストする原因として、傷の放置や経年によるひび割れなどが挙げられますが、藤田さんによると「一番の原因は“空気圧不足”です。空気圧が低いと、走行中にタイヤがたわんで変形します。変形したタイヤは、ゴムがよく動いて発熱するためバーストを引き起こしてしまいます」と説明します。

また、傷の放置も原因になります。特にタイヤの側面が縁石などに当たり、タイヤ内部のカーカスコード(タイヤ内部から見えるワイヤー)が切れて、コブのように盛り上がる傷ができると、バーストを起こす可能性が高まります。タイヤが古く、ひび割れがあるような場合、そのゴムの劣化がバーストの原因になることもあります。


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◆夏にタイヤのバーストが起こりやすい理由

夏にタイヤのバーストが増える主な理由は、長距離ドライブが増えるため、そして、人も荷物も満載の状態で運転する機会が増えるためです。タイヤが空気圧に依存する割合は90%とされており、1本のタイヤが支えられる荷重は空気圧に比例します。

例えば、指定空気圧が2.2kg/㎠のタイヤの場合、エアーが抜けて空気圧が1.8kg/㎠まで落ちたとすると、タイヤの負荷能力は、1本あたり480kg/㎠から410kg/㎠ほどまでダウンします。つまり、タイヤ1本あたり70kg/㎠、4本では280kg/㎠もの負荷能力が落ちることになり、そこに人も荷物も満載の状態で長距離を走ったりすると、タイヤが耐え切れずにバーストしてしまいます。

夏休みシーズンは普段よりもタイヤにかかる負荷が大きくなりがちなので、普段以上にタイヤの状態に注意を払う必要があります。

さらには、猛暑による熱もタイヤに大きな負担を与えます。というのも、真夏の道路の表面温度は60度を超えることがあり、タイヤはゴム製のため熱で柔らかくなるので、タイヤが変形してバーストしやすいと言われています。夏休みにおでかけの途中でタイヤがバーストしてしまったら、先の楽しみが台無しです。しっかり予防をしましょう。

◆ドライブ前にプロの点検を受けよう

タイヤがバーストしないために一番大事なことは、定期的な空気圧の点検と調整です。藤田さんは「特に、ロングドライブ前には、ガソリンスタンドなどで必ず空気圧をチェックするのと同時に、目視でタイヤに傷などがないか、溝に異物が挟まっていないかを確認しましょう」と呼びかけます。

また、溝が残っていたとしても、古いタイヤは使わないようにしてください。ゴム製品のタイヤは、新品から4、5年ほど使用したら、走行距離に関わらず交換するのが基本です。「交換の際は純正タイヤと同等以上の荷重指数、いわゆるロードインデックスのタイヤを選ぶようにしてください。ロードインデックスはカタログで確認できますが、自信がない方はタイヤ専門店に相談してください」と話します。車に乗り慣れている人はセルフチェックが可能かもしれませんが、夏休みシーズンはプロに依頼するのも選択肢の1つです。

そして、運転中はバーストやパンクの予兆にも気をつけましょう。空気圧が低くなって、たわんだタイヤで走行すると、道路との設置面が変形する“スタンディングウェーブ現象”が発生して、普段とは異なる妙な揺れが起こります。これを察知できれば、パンクやバーストを未然に防ぐことができます。

国道や高速道路を速いスピードで走行する際、いきなりタイヤがバーストしたら大事故になってしまう危険があります。日頃から対策と注意を怠らないようにしてください。

<番組概要>
番組名:JA共済 presents なるほど!交通安全
放送日時:毎週金曜 7:20~7:27
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/koutsu/