日本テレビのドラマ『私をもらって ~追憶編~』(毎週金曜24:30~)にW主演する前田公輝と久保田紗友。突然の事故によって意識不明の状態になりながら、数週間後奇跡的に目覚めた奈津実(久保田)と、ゴーストとなった稜英(前田)の儚いラブストーリーに挑んでいる。
そんな2人に、作品や役柄への印象、オフショット動画の裏話など、話を聞いた――。
韓国原作を感じる“知らない世界に没入するエンタメ”
――今作への出演が決まったときの感想をお聞かせください。
前田:とてもうれしかったですね。民放ドラマの主演は、俳優を志してからの夢の一つだったので、すごく感謝しています。なおかつシーズン2の「恋路編」もあるということなので、今まで以上に自分の中のエネルギーを注げたらいいなと感じました。
久保田:私もものすごくうれしい気持ちと感謝の気持ちでいっぱいだったんですけど、それ以上に自分が奈津実を演じているイメージが最初なかなかできなくて、そこに対してのプレッシャーがありました。でもこの作品を乗り越えることによって、得られるものがあるんじゃないかと思います。今まで携わらせていただいた作品は全て大切ですが、より一層大切にして、奈津実に向き合えたらいいなというのが、決まったときの率直な気持ちです。
――韓国の人気webtoon・web小説が原作ですが、こちらを読んでいの印象はいかがでしたか?
前田:すごくきれいな作品で読みやすく、僕自身も楽しみながら読ませてもらいました。ファンタジーなところがあるけど、非現実的な世界に共感を呼べる作品だなと思って、そこがすごく魅力的だったので、ちゃんと具現化できるように頑張りたいと思いました。
久保田:韓国の作品はファンタジーとラブがひも付いていることが多いと思うのですが、私自身がその世界に入れるんだと思うと、素直に楽しみな気持ちになりました。でも、やっぱり奈津実の抱えるものが大きすぎて、しんどい気持ちにもなりましたね。
――特に、韓国原作ならではの部分は、どんなところに感じますか?
前田:日本はわりとリアル志向なイメージがあるのに対して、やっぱり“生霊として出会う”という知らない世界に没入して楽しんでいくエンタメというところですね。それでも、共感しながら前に進んでいくメッセージをもらえるところが、自分が言うのもおこがましいですが、韓国作品らしいのかなと思いながら楽しませてもらっていました。
生霊と人間の恋愛模様…演じる自由度と複雑さ
――ご自身と役柄の共通点や、逆に全然違うと感じたところはいかがですか?
前田:家族や自分が近い人とか、大切な人に対しての感謝の思いですね。なので、一緒に人生を歩むパートナーは、自分自身も大事にしたいなと思います。その人に何かが及んだときには、稜英のようにすっ飛んでいきたい気持ちになります。
久保田:私は、ビールが好きなところです(笑)
前田:最高だね(笑)
久保田:奈津実のビール好きには大共感でした。私自身は外に発散せず、自分の中で物事を解消していくことが多かったんですけど、奈津実は外に出したら自分の中から全てなくなっていくぐらい発散して気持ちよくなる性格なので、そこは真逆すぎて、ここまで感情を表現するのは難しいなと思いながら演じていました。でも途中から、自分の中でも外に出していくという感覚がすごく心地よくなっていって、後半は自分自身も私生活を通して奈津実に近づいていった感覚があります。
――生霊と人間が恋愛模様を繰り広げるという、普通のラブストーリーとは違うところでの楽しかったところや苦労はありますか?
前田:僕自身が周りに見えていない、僕も見られないというところに関しては、今までのお芝居とすごく違うところでした。でも、見えないからこそ逆にすごく自由度があって、人との距離感を超えて、近寄ってお芝居をする楽しみもありました。
久保田:奈津実は物が触れられないということもないので、物理的な苦労はあまりなかったのですが、稜英さんのことを見えない人と一緒に3人でお芝居するときに、ちょっと難しさを感じました。稜英さんが言ってることを拾わなきゃいけないけど、それに反応しちゃうと見えない人に「何やってるんだろう?」と思われてしまうから、それがバレないように…という複雑なお芝居になるので。
――シーズン2まである作品ですが、演じていくうちにご自身の変化はありましたか?
前田:稜英の言葉遣いは、日常的にあまり口語として使われないセリフがすごく多かったので、それを現実的に落とし込むために、自分の声帯で低いところを使ったんです。僕自身、声が低いので、今回はそれを使って「威厳」というところを出せたらいいなと思ってやっていました。撮影が続くにつれてプライベートでもそんな声になっていった感じがあります(笑)
久保田:奈津実を演じて、人に対してこんなに感情表現をすることはとても素晴らしいと思ったんです。私自身、どちらかというと感情表現が苦手なタイプなので、そういう部分で学びもありましたし、自分を出すことに対しての怖さみたいなものが、奈津実を通して少し抜けてきたなというのを感じています。