現在テレ東ほかで放映されている、水ドラ25枠『青春ミュージカルコメディ oddboys』(毎週水曜25:00~25:30)。岡宮来夢と阿部顕嵐がW主演を務める同作は、廃部の危機にある高校のミュージカル部のメンバー(岡宮・阿部・立花裕大・福澤侑・皇希)が、文化祭の公演を目指して奮闘する姿を描く。10月26日・27日には東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナでリアルに「英林館高校文化祭」開催を予定するなど、盛り上がりを見せている。
今回は、ミュージカル部のメンバーでムードメーカーの一本木雅也を演じる立花裕大にインタビュー。ミュージカル『刀剣乱舞』出演などでも人気を博す立花は、8年ぶりに同局のドラマに出演する。同作への思いや共演者の印象、そして俳優としての変化について話を聞いた。
立花裕大、テレ東ドラマ『青春ミュージカルコメディ oddboys』に出演
――テレ東の立花さんといえば、2016年に放送されていた潜入捜査アイドル……
『刑事ダンス』なつかしいです!! 若かったなあ。
――佐久間宣行プロデューサーのドラマで、中村蒼さん、大東駿介さん、横浜流星さん、 森永悠希さんと共演されていて、それ以来の凱旋ということになりますね。
メンバーが豪華でしたね。今回も深夜でコミカルな役をやることになって、ちょっとキャラクターが似ているなとは思いました(笑)。『刑事ダンス』の後に舞台に出演する機会も増えて、いろいろな役をやらせていただき、またテレ東さんで深夜でコミカルな役をやらせてもらって、腕を試されているような感覚があります。
今回はかき乱しキャラ的なところもありつつ、ムードメーカーでもあるところが1番大きなポイントです。「青春ミュージカルコメディ」なので、ひたすら盛り上げようという気持ちです。ご覧になった方がなにも考えず笑ってくれたら1番嬉しいので、とにかく楽しんでほしいです。
――久しぶりのテレ東さんの空気は感じますか?
リハーサルを局でやらせてもらって、『刑事ダンス』と同じ楽屋やスタジオを使わせてもらってたので、懐かしさがありました。テレ東の中でガンガン撮影していたので、「ここに5人並んでいたな」「通ってたな」と思い出しました。あの作品が初めてのドラマレギュラーで、歌って踊る経験もして、周りの共演者もすごかったので、勉強になりました。
――高校生役をまたやるというのはいかがでしょうか?
実際に学校のシーンが描かれる学園ものにはあまり出たことがなかったので、その点も嬉しいです。制服姿は「大丈夫かな!?」と思いましたけど(笑)。「コメディだから、大丈夫」と言い聞かせながら盛り上げています。
岡宮来夢・阿部顕嵐・福澤侑・皇希ら共演者の印象は?
――共演の皆さんとはいかがですか?
来夢はもともと一緒に活動していたし、その後も舞台で何作品か共演していたので、気心が知れてる関係性です。今回も最初から仲がいい役なので、やりやすかったです。本当に高校生のような気持ちで、楽屋も部室みたいな感じでずっとしゃべっています。
顕嵐は、舞台で共演した時は2人とも今回とは真逆な役で、僕はクール、顕嵐は元気な役だったんです。でもなんだか似ているところがあって、以前舞台観劇に行ったら顕嵐が隣だったことがあったんですけど、偶然同じセットアップを着ていて、恥ずかしかったです(笑)。その時はサンダルについて語り合いましたし、筋トレをしていたり、飲んでるサプリが一緒だったり、サウナが好きだったり、共通点が多いんですよね。
侑もここ最近共演することが多くて、めちゃくちゃ話しやすい。ふわっとしているようでプロフェッショナルな男で、多忙な中でどの仕事もしっかりしてて。侑と皇希は高校生から一緒にダンスをしているので、結束力を感じます。2人は振り付けでも参加してくれているんですけど、僕がやったことないようなかっこいい振りもあるし、コメディぽいチャーミングなのもあって、「年下なのにこんなことができるなんてすごいな」という尊敬の念があります。僕はたまたま全員と共演したことがあるので、すごくやりやすいです。こんなこと、なかなかないです。普通は自己紹介から始まるから(笑)。各方面で主役張ってるメンツが集まっていて、信頼がおけるので、安心して球を投げることができます。
――「青春ミュージカルコメディ」と銘打たれてますが、ミュージカル自体はお好きなんですか?
もちろん、好きです。観ていても楽しい気持ちにさせてくれるし、ミュージカル映画やドラマも大好きで、僕が学生の時は特に『glee/グリー』が流行っていたので、観ていました。
――今回『glee』を目指してる感じは?
深夜だしコメディだし、『glee/グリー』とは目指すところが違うかもしれません(笑)。全部オリジナル曲で、63曲あるんですよ! びっくりしました。撮影までタイトになるので、すごい挑戦をしているなと思いつつ、オリジナルな分ルールがないので、存分に何やってもいいというか、止められてはいないです。
歌のシーンでは理事長役の中川晃教さんが歌ってくださるシーンもあるんですが、めちゃくちゃうまいだけじゃなく、さまざまなニュアンスも含んでいるし、コミカルにもいける。もはや「神々の遊び」だと思ってます。一緒のシーンは覚悟して必死にくらいついています。「こんなふうに歌声に色を付けられるんだ」ということを目の前で見せていただいて、「もし自分にもあんな技術があったらなあ」とも考えます。また今作で共演している加藤和樹さんも全然タイプが違いますが、圧倒的な表現力を目の当たりにしてます。前に舞台でご一緒した岡幸二郎さんは空気が振動するぐらいの圧倒的パワーを持っていらっしゃるし、僕ももっともっと勉強しなければと思いました。
先輩からの言葉で「常に向き合っていかないといけない」
――『刑事ダンス』から8年の間で、ご自身には変化はありましたか? 歌番組に出るたびにXでバズってるのもお見受けしてます。
そういう経験もなかったですし、最初にドラマに出た時は、バイトしながら撮影に参加するという感じだったので、バイトせずに俳優としてやっていけるようになったのが変化かな。芝居にも集中できるし、自分で脚本を書いて朗読劇をしてみたりもしました。『天才てれびくん』にレギュラー出演が決まった時は、『刑事ダンス』の公式アカウントも反応してくれて、『刑事ダンス』に出たことでいろいろつながったのも感じていますし、テレ東さんにはすごく恩があるんです!
――何が1番変わったと思いますか? 意識なのか、それとも技術的なところとかなのか。
最初は「気持ちが1番大事」だと思ってたんですけど、うちの事務所の先輩のモロ師岡さんが「気持ちは1番大事だけど、技術というものは絶対にあるんだよ。俺もまだまだ探し中だよ」とおっしゃっていて。そんなにすごい先輩たちが「まだまだ」と言っているなら、僕らはどれだけもがけばいいんだろうと、ハッとさせられましたし、やっぱり「常に向き合っていかないといけない」という意識を持つようになりました。
素敵な先輩って、みんなそうおっしゃるんです。先日歌番組でご一緒した布施明さんも「僕も旅の途中ですよ」とおっしゃっていて、「布施さんが!?」と。デビュー60周年ですよ!? でもやっぱりその姿勢は崩しちゃダメなんだな、満足しちゃいけないな、という気持ちになりました。ゴールのない世界なんだなと思います。
■立花裕大
1992年7月3日生まれ、神奈川県出身。2007年に俳優デビューし、ドラマ『潜入捜査アイドル・刑事ダンス』(16年)、子供番組『天才てれびくんYOU』(17年)などに出演。2020年よりミュージカル『刀剣乱舞』シリーズ出演で話題となり、近年の主な出演作に舞台&ドラマ『Stray Cityシリーズ』(23年~)、舞台&ドラマ『ナナシ-第七特別死因処理課-』シリーズ(23年~)、舞台『桃源暗鬼』(24年)、ミュージカル『夜曲~ノクターン~』(24年)など。