◆「こんなに自分に差別意識が潜んでいたのか」
2021年3月以来のダレハナ出演となるカツセさん。それまでの約3年間は、文の寄稿や長編小説の執筆などで仕事も増えたそうで「あっという間だった」と振り返ります。そして、6月27日(木)には3作目となる長編小説「ブルーマリッジ」(新潮社)を出版しました。
この本を書き上げるのにはとても時間がかかったそうで、カツセさんは「担当の編集者さんとたくさんケンカして(苦笑)。自分の書きたいものと読者の気持ちのせめぎ合いを繰り返してようやく……難しいですね、商業出版って」と苦労を吐露。
そんな本作は“ハラスメント”が物語の歯車となっていますが、これは、カツセさんが数年前からフェミニズムやジェンダーをめぐる問題を勉強するうちに、「“昔の自分の発言はモラハラだったのではないか……”“こんなに自分に差別意識が潜んでいたのか”という思いになり、過去の自分と向き合った1冊を出さないと先に進めないと思って書きました」と話します。
◆生々しい“モラハラ表現”に驚き
本作を読んだれなちは、作中に出てくるモラハラのディティールに「なぜ、こんなに細かく分かるのですか?」と驚くと、カツセさんは「“男って本当にそういうこと言うんだ”という話を(読者や知人などから)逐一ストックしていった結果です。これを物語のなかに出したら、加害者も被害者も自分ごとだと思ってくれる瞬間がどこかで訪れるのではと思って」と語ります。
またれなちは、モラハラをしてきた自覚のない登場人物が、妻から突然離婚を突きつけられて「俺はこれだけ尽くしてきたのに!」と怒る一幕をピックアップし、「家事などを(妻に)押し付けてきたうえで生活が成り立っているのに、それを(夫が)一切自覚していなくてキレる場面も“うわぁ~、どこかで聞いたことがある気がする!”と思いながら(読みました)。でも、これって本の中だからこそ残せることであって、なんなら、もし結婚を予定した人が私の前に現れたら、この本を渡そうかなと思いました」と明かします。
その一方で“パートナーへのリスペクト”も物語の核となっているとのことで、カツセさんは「相手の存在を“恋愛対象以外の部分で尊重・尊敬できるか”という物語を描いたつもりです。うまくいっていないカップルや別れてしまった2人がこれを読んだら、お互いに気付けるものがあるのでは、と思って書きました」と語っていました。
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<番組概要>
番組名:山崎怜奈の誰かに話したかったこと。
放送日時:毎週月~木曜 13:00~14:55
パーソナリティ:山崎怜奈
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/darehana/