鈴川紗由・高石あかり・木戸大聖が主演声優を務める、アニメ映画『きみの色』(8月30日公開)のオーディション裏話とキャスティング秘話が明らかになった。

  • アニメ映画『きみの色』

同作は、『映画 けいおん!』(11)、『映画 聲の形』(16)で注目を集めた山田尚子監督の最新作となる完全オリジナル長編アニメ映画。

山田尚子監督最新作『きみの色』、主演声優は注目の若手俳優3人

誰にも言えない悩みを抱える高校生3人が、音楽で心を通わせていく姿を描いた今作。1,600人のオーディションを勝ち抜いて選ばれた鈴川・高石・木戸が主人公たちの声を担当する。

人が「色」で見える女の子・日暮トツ子役は、2020年のユニバーサルミュージック初の女優オーディション「“ニュー・ヒロイン” オーディション」にて2,500人を超える応募者の中から特別賞に輝き、「私の卒業プロジェクト」5期の映画『こころのふた~雪ふるまちで~』(24)のキャストにも選出された鈴川。今回のオーディションに絶対受かりたかったという鈴川は、「できるだけ自然なトツ子ちゃんらしいお芝居にしたくて、三つ編みヘアとオーバーオールを着てオーディションに臨みました」とトツ子ルックで挑んだそう。そんな鈴川を、山田監督やキャスト陣も「見た目も中身もトツ子みたい!」と形容する。

そして、トツ子と同じ学校に通っていたが突然中退してしまい、学校に行くふりをして古本屋でアルバイトをしている作永きみ役を演じる高石は、今作で声優初挑戦。最初はトツ子役のオーディションを受けていたそうだが、「自分とリンクしている部分のあるきみに自分の心が移っていたので、最終のオーディションできみ役で呼んでいただいて夢みたいでした」とオーディションの裏話を語った。また、高石と初共演となる木戸は「明るくテンションの高い方ですが、きみの静かな感じのスイッチが急にはいるのがすごい」と高石の切り替えの早さを絶賛する。

一方、そんな木戸が演じるのは、離島に住み、音楽が好きで物静かな青年の影平ルイ。声の仕事が初めてで「すごく緊張していた」という木戸は、「実際3人で会話をしている感覚になれて、オーディション自体がすごく楽しかったです」とスタジオでのオーディションについて振り返る。共演した鈴川は、木戸の印象について「笑顔の優しいお兄さん的な存在」と触れつつ、「役と本人がそのまんまだね」と3人で話していたことを述懐する。

3人のキャスティングの決め手について、山田監督はトツ子役の鈴川は「独り言がかわいかった」ことを挙げ、「鈴川さんが演じたトツ子は、自分の中だけですごく楽しんでいる子、その自分の中の世界がすごく幸せそうな子でした」と振り返る。きみ役の高石については、「耳にこびりつくような不思議な音をしていて、すごく心地良くて、そこに魅力を感じて決めました」と話し、ルイ役の木戸も「セリフだけではなく、普通にお話しする時のトーンや色味が、私が想像する影平ルイくんにぴったりきていました」と木戸の持つ柔らかな雰囲気が決め手だったと明かした。

(C)2024「きみの色」製作委員会