熊本で醤油・味噌を製造するフンドーダイは22日、「透明醤油」を用いた透明料理のレシピを公開した。東京西浅草・かっぱ橋のアンテナショップ「出町久屋」では、期間限定で試食イベントも開催予定だ。関係者は「厳しい暑さが続く今夏、見た目も涼やかな透明料理で少しでも”涼”を感じてもらえたら」とアピールする。
■家庭でも楽しんでもらうために
フンドーダイは明治2年創業の老舗醤油・味噌メーカー。”醤油は黒い”の常識を覆す「透明醤油」を2019年に発売して大きな話題を呼んだ。その後、透明醤油でつくった「だし醤油」「柚子舞うぽん酢」「トリュフ醤油」などの関連商品も続々と開発。現在、国内はもとより海外25カ国でも好調な売れ行きをみせている。
フンドーダイ 代表取締役社長の山村脩氏は「透明醤油」の売上本数について「2023年度比で国内では約1.5倍、海外では約2倍まで増加しています。現地にある日本食レストランだけでなく、イタリアン、フレンチのレストランでも透明醤油が使われるようになってきました」と胸を張る。
フンドーダイは、昨夏も透明醤油を使った「透明すぎる CLEAR FOOD & SWEETS」(クリア フード&スイーツ)を制作して注目を集めた。そして今夏は、透明料理をコースに仕立てた「透明すぎる 料理店」レシピを公開。この狙いについて山村氏は「透明という特徴を活かした、従来にない醤油の使い方を提案することで、家庭でも日常的に楽しんでもらえるのではないかと考えました」と明かす。
なお商品の使用方法を正しく伝えるため、アンテナショップ「出町久屋」で販売する透明醤油シリーズ、および主力商品にはビンのキャップにNFCタグを埋め込んだ。手持ちのスマートフォンをかざすと、母国語に翻訳された「透明醤油の使い方」「おすすめの料理例」などがブラウザで閲覧できる仕掛けになっている。
このNFCタグ導入により、購入者が何処の国で商品を開封したか、といった位置情報を得られるようになった。そこで同社では今後、さらにローカライズした情報、たとえば購入者の地域で食べられている料理でどのように透明醤油が活用できるか、などを伝えていくことを考えている。
■透明すぎる料理のお味は?
筆者も実際に「透明すぎる 料理店」レシピで作られた料理を食する機会を得た。
「透明すぎるトマトのカプレーゼ」は、フレッシュトマトを長時間ゆっくり漉すことで、トマトの爽やかな香りと旨味を引き出したもの。見た目は透明のゼリー状なのに、口に含むと確かにトマトの美味しさが感じられる。ドレッシングに透明醤油、ホワイトバルサミコが使用されており、しっかりとした味付けとなっていた。
「透明すぎる冷たいコーンポタージュ」は、とうもろこしの甘みを最大限に引き出したジュレに、芯を焦がした香ばしい焼きとうもろこしのジュレを合わせたもの。香りの違う2種類のとうもろこしのジュレが楽しめる。透明醤油風味のポップコーンも良い香り。
「透明すぎるトリュフ風味のカルボナーラ」は、デンプン麺を使用したカルボナーラ。白い卵を透明醤油に漬け込んで味のポイントにしている。パンチェッタの代わりにラルド(豚の背脂の塩漬け)を使用してコクをプラス。透明醤油でつくったトリュフ醤油が全てをまとめている。
「透明すぎるホタテ貝柱のクリアキューブ」は、見た目からして涼しげな料理。干し貝柱の透明なエキスをゆっくり時間をかけて抽出したうえで、ホタテ、エディブルフラワーを干し貝柱の旨味に閉じ込めた。透明醤油でつくった柚子舞うポン酢で、爽やかな香りと酸味のアクセントがつけられている。
「透明すぎるプリン」は、昨年の企画でも好評だった一品。プリンと言えば黄色+黒の配色を連想するところ、常識を覆した透き通るプリンに仕上げた。カラメルソースに透明醤油を使用している。外観はゼリー、スプーンですくった感触もゼリー、でも食べてみると味はプリンということで、頭が混乱してしまう。
「透明すぎるポテトチップス 透明醤油味」も昨年の企画の人気料理。透明に仕上げたポテトチップスに「透明醤油」をまぶしてある。
アンテナショップ「出町久屋」では7月23日、26~28日の期間限定で、上記メニューの一部を試食として提供する(数量限定)。