JR西日本は24日、東海道・山陽新幹線のN700Sを2026~2028年度に10編成追加投入し、N700系の8両編成化改造工事も2026~2029年度に10編成で実施すると発表した。JR東海と同様、JR西日本のN700Sも個室を導入する予定となった。
山陽新幹線のさらなる安全性・快適性向上を図るべく、JR西日本はN700Sを追加投入。2026~2028年度に投入する10編成について、快適性・利便性を高めるため、「グリーン車よりもさらに上質な設備・サービスを備えた個室」を導入することとなった。車内設備に関して、客室の座席に自動座席回転装置を搭載(グリーン車と3・6号車を除く)することも特徴に。座席を自動で回転させることにより、車内整備作業を省力化できるという。
安全性・安定性の向上、異常時対応能力の強化に向けた取組みも実施。飛来物検知機能を搭載し、パンタグラフへの飛来物付着等を画像解析で検知して運転士や指令所の係員に通知することで、より早期に異常を知得し、重大事故を未然に防止する。車両データ伝送機能も強化し、車両故障等の異常時、より詳細な車両データを指令所等へ伝送。車両状態をより詳細に把握することで、異常時の運転再開を早期化できる。
バッテリによる空調稼働機能も追加。自然災害等による長時間停車時、現在はバッテリからモータへ給電して避難の容易な場所へ自力走行が可能だが、新たな機能の追加により、自然災害等で運転できない場合もバッテリから空調を稼働させられるようになり、停電時の車内環境を改善できる。
N700Sの追加投入にともない、「のぞみ」で運用している16両編成のN700系を8両編成化する改造工事も実施。2024~2026年度に4編成で改造することをすでに発表していたが、2026~2029年度にかけても10編成を対象に博多総合車両所で改造工事を実施することとなった。
8両編成化したN700系は、車内に車いすスペースを4席設置。ATCブレーキシステムの改良により、地震発生時のブレーキ距離を500系・700系より短縮できるため、安全性が向上する。大容量のデータ通信も実現し、詳細な機器データの取得・分析を可能とすることで車両の状態監視機能が強化され、安全性・安定性が向上するとのこと。