俳優の水谷豊、岸部一徳、檀れいが出演するBS朝日の時代劇ドラマ『4K時代劇スペシャル 無用庵隠居修行8』が、9月23日(19:00~)に放送されることが決定。このほど、京都のスタジオで撮影を終えた3人が取材に応じた。
直木賞作家・海老沢泰久原作の短編時代小説『無用庵隠居修行』を、時代劇『だましゑ歌麿』シリーズの水谷豊×吉川一義監督のコンビでドラマ化する同シリーズ。江戸庶民や下級武士の生き生きした日常を描きつつ、主人公の半兵衛(水谷)がひょんなことから江戸に巣食う巨悪を討つ痛快かつサスペンスフルなストーリーが人気で、2017年から年1回のペースで放送されてきた。岸部は半兵衛に付き従う用人・勝谷、檀は半兵衛の妻・奈津を演じている。
ストーリーのクライマックスとなる「悪を懲らしめる」シーンで登場する半兵衛の扮装シーンも名物になっているが、今回は“バカ殿”に挑戦。その場面を振り返りながら、“隠居”への考え方、今後のシリーズへの意気込みなどを語った――。
「用人」という立場を描く回
――台本を読んでの感想は、いかがでしたか?
水谷:どんな悪と対峙(たいじ)するのだろうと思っていたのですけれども、一つは用人の勝谷と用人仲間から、「用人」という立場が大変なんだな、というところをお芝居でお見せできる回だなと思っています。権力というのは良い使い方をしてくれれば良いリーダーになるけれど、こんな使われ方をしたらたまらないというところを描いています。そして、これが感動的なドラマになるんです。そんな勝谷が用人仲間とともに巻き込まれていく事件が起きて、それと同時に半兵衛の息子・新太郎の同僚がそこに巻き込まれていく事件も起きる。それを半兵衛としてはどうすべきか悩みながらラストへと向かうところが、今回、やり甲斐がありました。
岸部:下級武士の日常、現実的な生活とかやり取りとか、そこでの悲哀みたいなもの、そういうものがとても丁寧に描かれていますし、用人の世界もちゃんと描かれて、実際はこうだったんだろうなというのがよく分かります。半兵衛が力になっていくというのは、今までになかった描かれ方でしたね。本当に楽しい見応えのある作品になったと思います。
檀:なかなか用人のような立場の日常はあまり描かれないのですが、そこが垣間見える台本はとても面白く興味深かったです。そして、小川村でのお話や、半兵衛様がお世話をした旅芸人などなど、これまで登場した出演者の方が、いつも以上に今回出ていると感じました。
事前に見ないと「本番で吹き出してしまいます(笑)」
――今回の“バカ殿”のシーンはいかがでしたか?
水谷:本当に毎回、何をやらされるんだろうという感じになってきました(笑)。れいさんはバカ殿の横にいらっしゃって、いかがでしたか?
檀:「今日、水谷さんの扮装チェックあります」と聞いたら、私は必ず見に行くんです。半兵衛様がどんな扮装をされるんだろうと思って。そこで見ておかないと、本番で吹き出してしまいますから(笑)。今回は、「半兵衛様はどこまで行くんだろう…」と思うような楽しいバカ殿でした。お芝居をすると、よりバカ殿に磨きがかかっていて、楽しかったですね。
岸部:見事なバカ殿でした。着替えている時に覗きに行きましたけど、あまりのバカ殿ぶりにもう面白かったです(笑)
水谷:あのカツラ、化粧、衣装が、本当に良い世界を提供してくれるんですね。やらなきゃつまらないし、やりすぎるとまた良くないというところで、ものすごく良い世界を作ってくださるんですよ。ただ、“バカ殿”と言っても歴代でいろいろなバカ殿があったと思うんですよね。
――その中でも歴代最高でしょうか?
水谷:基準が分からないです(笑)。でも、楽しかったですね。