マイナビ出版は7月26日、スパゲティナポリタンの誕生からその盛衰を解説する書籍『ナポリタンの不思議』(田中健介 著/新書判256ページ/書籍1,199円 電子版1,199円)を発行する。同社による解説をお届けしよう。
若者を中心にブームになっているレトロ喫茶。そのレトロ喫茶に欠かせないのは、みんな大好き「スパゲッティナポリタン」。
そのナポリタンですが、日本が発祥というのはご存じでしょうか。
ナポリタンというのだからてっきりイタリア、ナポリ地方が発祥なのではないかと皆さん思っているでしょう。
確かに中世のころ、イタリア、ナポリ地方トマトから作られたソースをパスタにかけた料理は存在したようです。
しかし、いま皆さんが目にするナポリタンの原型は、終戦後に横浜で生まれた、というのが定説になっています。ただしそう簡単に説明できるものではありません。
さて、そんな「ナポリタン」ですが実は東と西で呼び方が違います。
スパゲティ麺でおなじみの「マ・マー ゆでスパゲッティ」の商品名がそれを物語っています。
「マ・マー ゆでスパゲッティ」は、1964年に「フレッシュスパゲッティ・トマトソース」の名で、茹で麺にトマトソースをかけて調理する商品として発売し、1977年には「イタリアン」が、1983年には「ナポリタン」が販売され、現在も「イタリアン」「ナポリタン」の2種類が販売されています。
この2種類で面白いのは、どちらもパッケージ写真がナポリタンそのものに見える点です。違いと言えば、「イタリアン」はウインナーが具材で、「ナポリタン」はベーコンが具材であるという、そのくらいでしか違いはりません。東ではナポリタン、西ではイタリアン。そういうことなのでしょうか。
そんな、謎多きナポリタンを紐解いた書籍『ナポリタンの不思議』(マイナビ新書)が7月26日にマイナビ出版より発売されます。
本書では、ナポリタンにゆかりのある横浜を中心に、名古屋、静岡、神戸のナポリタン(イタリアン)の名店が多数紹介されています。
さらに横浜市・伊勢佐木町で創業した有隣堂にて「日本ナポリタン学会」公認のナポリタンのレシピカードを購入者特典として配布をしております。
ぜひ、本書を片手にナポリタンの名店巡りをしてみてはいかがでしょうか。
庶民的な洋食として、多くの人に昔から愛されているスパゲッティナポリタンですが、数多くのふしぎがあります。
- イタリア料理ではなく日本料理らしいけど、どうやって生まれたの?
- 横浜生まれらしいけど、港町なのが誕生に関係している?
- 関西では「ナポリタン」ではなく「イタリアン」と呼ばれているらしいけど、なんで?
- その「ナポリタン」と「イタリアン」の境界線はどこ?
- 90年代はあまり人気がなかったようだけどなんで?
- 最近、専門チェーンができたりコンビニで売ってたり、再ブームがきてる?
- ナポリタンの全国的なイベントがあるって知ってる?
- パスタっていつから普及したか知ってる?
- そういえば「スパゲティ」っていつから「パスタ」って呼ぶようになったの?
横浜の洋食文化が影響して産まれ、バブル期にかけて起きたイタ飯ブームとともに片隅に追いやられたもののしぶとく生き残り、最近は専門店のチェーンまで誕生するなど、その存在感が増す一方のナポリタン。
どこか懐かしくて、食卓やレストランや喫茶店、コンビニと、どこにでもあるナポリタンを通して、日本の食文化を再確認できる一冊です。
目次は「ナポリタンの歴史―横浜から広がった戦後洋食文化」「ナポリタンとイタリアンの境界線」「神戸はマカロニ文化? さらなるナポリタン・イタリアン問題」「ナポリタンの危機」「ナポリタンの復活~ナポリタンを止めるな~」「ナポリタンを国民食へ」。
著者の田中健介さんは横浜生まれ、横浜育ち。横浜発祥と言われるスパゲッティナポリタンを愛し、2009年から「日本ナポリタン学会」会長として、横浜を中心にナポリタンの面白さを発信している。