俳優の萩原聖人が、特撮ドラマ“ウルトラマンシリーズ”の新作『ウルトラマンアーク』(テレビ東京系 毎週土曜9:00~)に出演。新人俳優の戸塚有輝が演じる主人公・飛世ユウマの父を演じるとともに、ユウマと、銀河系からやって来たルティオンが一体化したウルトラマンアークの声を担当している。

これまで特撮ものと縁がなかったからか、あまりウルトラマン好きな印象はない萩原だが、オファーに「すごく嬉しかった」と声を弾ませ、「僕、にわか(ファン)じゃないんです」と断言する。

シリーズ最新作『ウルトラマンアーク』は昭和を意識

萩原聖人、ウルトラマンアーク

左から萩原聖人、ウルトラマンアーク 撮影:望月ふみ

――ウルトラマンシリーズへ初参加ですね。

ヒーローものは「いつかは出たいな」と思ってもなかなか出られないもの。そのなかでも『ウルトラマン』ですよ。日本だけじゃなくて世界でも多くの子どもたちが好きなヒーロー。そんな作品に、この歳でこうしてお話をいただけたのは、僕のキャリアの中で、本当にすごいことです。今回の辻本貴則監督(※「辻」は一点しんにょう)とは、以前1度ご一緒していて、声をかけていただいたんです。ウルトラマンシリーズが大好きな方で、今回は「昭和のウルトラマンの匂いを意識した」とおっしゃっていて、だから僕を呼んでもらえたのかな。昭和の匂いがしたのかも(笑)。監督に素直に感謝です。

――萩原さん自身はウルトラマンシリーズにどんなイメージがありますか?

普遍的なテーマとして「これを感じられると、大人になっていくときにいろんなことを乗り越えられるよ」といったことや、「これを大事に思っていると、夢に向かうエネルギーを持ち続けられるよ」といったものがある気がします。全シリーズを見ているわけではないので、もしかしたら違ったウルトラマンもいるかもしれませんが、少なくとも僕が知っているウルトラマンはそうした存在だったし、今回の『ウルトラマンアーク』は「解き放て! 想像の力!」というワードを大切にしていて、全ては“想像”から生まれるんだというオリジンを感じます。

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――今回は主人公の父とともに、ウルトラマンアークの声も演じています。

ウルトラマンの声って、もはや良い声とか悪い声とかの対象じゃない。人間じゃないですし。まさに“想像”するしかない。その中でも監督の一番のこだわりが伝わってきたのは、通常の会話よりも戦闘中の「ハウッ」とか「トゥ」、例の「シュワッチ!」といった声です。それをセブン風にとか、もう少しジャック風に、A(エース)風に、タロウ風にといった具合に、本当に細かく調整しながら作っていきました。ちなみに僕自身は、ウルトラマンより怪獣派なんですけどね(笑)

――そうなんですね。

圧倒的に怪獣派。おもちゃも怪獣のものが大好きで、怪獣消しゴムとかを集めてました。裕福じゃなかったので、子どものころはそんなにたくさん買ってもらえなかったんですが、大人になると買える。でもそうなるとキリがない。僕はフィギュアが大好きなんですが、いまは厳選して「これは!」というのだけ買うようにして、あとはみなさんのYouTubeとかを見たりして楽しんでいます(笑)

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――『ウルトラマンアーク』も萩原さんが出るからと、観る人がいるかもしれません。

いや、いないでしょ。そういう引きはないですよ。

――そうですか? 萩原さんがウルトラマンシリーズをもともと好きだというのを、ちょっと意外に感じる人もいるかと思いますし、萩原さんの声のアークを観たい人もいるかと。

意外に思われるのはそうかもしれないですね。でも僕、にわかじゃないんです。怪獣派ですけど(笑)。昭和の怪獣の名前なら、写真を見ただけで9割5分は言えると思います。今回も楽しみだし、またフィギュアが欲しくなっちゃうな(笑)。あと今回はね、ユウマが変身する時に使うアークキューブっていうアイテムがあって、そのグッズにも僕の声が入ってるんですよ!

■萩原聖人
神奈川県出身。1987年に俳優デビュー。ドラマ、映画、舞台、ナレーションなどで幅広く活躍する。プロ雀士としての実績も高い。1990年のドラマ『はいすくーる落書き2』で注目を集める。その後もドラマ『夏子の酒』『若者のすべて』(94年)などで人気者に。映画『マークスの山』(95年)、『CURE』(97年)で日本アカデミー賞優秀助演男優賞ほかを受賞。近年のおもな出演作に映画『Fukushima 50』(20年)、『島守の塔』『今夜、世界からこの恋が消えても』『餓鬼が笑う』(22年)、『スパイスより愛を込めて。』『君は放課後インソムニア』(23年)などがある。