累計販売部数146万部を超える大ヒット漫画となった渡辺ペコ氏の『1122』。その実写化作となるドラマ『1122 いいふうふ』が、6月14日よりPrime Videoにて世界独占配信されている。

そんな同作でW主演を務めた高畑充希と岡田将生にインタビュー。セックスレスや婚外恋愛許可制など問題を抱えながらも、友達のようになんでも話せる仲の良い一子・二也夫婦を演じた2人に、同居生活で譲れないこだわりや理想の夫婦像について語ってもらった。

  • (左から)高畑充希、岡田将生 撮影:宮田浩史

岡田将生のインスタグラムの師匠は高畑充希

――今回は夫婦役ということもあり、撮影ではお二人のシーンが多かったそうですが、撮影中に印象的だったエピソードはありますか?

高畑:私が印象的だったのは、ちょうど撮影がスタートするタイミングで岡田さんがインスタグラムを始めたんです。岡田さんが「やり方が全くわからない」と言っていたので、私はすごく長くインスタグラムをやっているから、基本的なことだけ教えたらメキメキと腕を上げていって、今はもう私の追いつかないところまで……(笑)。もうインスタグラマーですよね?(笑)

岡田:ハマりにハマってます(笑)。そのときに質問ボックスを教えてもらいました!

高畑:教えたっけ(笑)? 私がやったことないことも、とりあえず基本知識は伝授しとかなきゃなと。フォロワーの皆さんとコミュニケーションを取るものとかも、「私はやってないけど、こうしたらできるらしいよ」と教えたら、今はもう質問ボックスマスターですよ。

――師匠超えですね。

岡田:いやいやいやいや(笑)

高畑:あっという間に! 撮影期間中に超えられました。

岡田:1フロア1部屋のマンションで撮影していたので、スタッフもキャストもみんな同じところにいて、いい距離感だったんです。待ち時間もずっと同じ空間にいるので、キャラクターから離れないまま、インスタグラムを教えてもらったり、一緒にお茶したり。そういう時間が作品にいい影響を与えていたなと、今になって思います。

高畑:支度部さんとかとも仲良かったよね! メイクさんや衣装さんとみんなでいつも同じ部屋でおやつを食べながら、やいのやいのやっていたので(撮影が終わってからは)結構ロスでした。

岡田:本当にいいチームで仲が良かった。あとは、とにかく出てくる料理がおいしかったんですよ! 多分、この作品を観ているとお腹が減るんじゃないかなと思うぐらい!

高畑:おいしかったですね。

岡田:お昼ごはんを食べないで、それをずっと食べていたいぐらいおいしかった。

同居するときに譲れないこと

――登場する料理にも注目ですね。今回、夫婦役を演じられたお二人ですが、誰かと一緒に暮らすときの譲れないこだわりはありますか?

高畑:う~ん、ありますか……?

岡田:僕は1人の時間があれば……(笑)。家族・夫婦・同居人としての時間は大切にしますけど、その中でも1人の時間はどうしても欲しいなとは思います。映画の時間とかでもいいですし、読書の時間とかでも。

高畑:私は家の外で起こったおもしろかったことを共有したいタイプなので、おもしろいと感じる観点と、「こんなムカつくことがあって……」と話したときに「わかる! それムカつくよね」と同意してくれる観点が大事。別に話さないことがあっても全然いいと思いますし、知らないことがあっても全然いいんですけど、「うわ、これ、ちょっと帰ってしゃべりたいな」みたいなことがあるのが、人と一緒にいるということなのかなとも思うので、そういうことを共に楽しめるといいですね。

あと、私は物の見方が若干斜めなので(笑)、その傾き具合が近いといいなと思います。あまりに相手の心がきれいだと、自分がゴミみたいに見えてくるというか……(笑)。そうならないくらい適度にダークなギャグも伝わるといいなと……。

――高畑さんは一人の時間はいらないタイプですか?

高畑: 1人の時間が欲しいはめちゃくちゃ理解できます。私も一人っ子ですし、1人で全部完結できるっちゃできるんです。相手のことをいい意味で空気みたいに視界からパッて消せたり、自分のことに没頭できたりという楽さを持っていられる関係性だったらいいですね!

岡田:(僕は共有の仕方が)「聞いて! 聞いて! 聞いて! 聞いて!」みたいなすごく前のめりなタイプだと、「聞いた! 聞いた! 聞いた! 聞いた!」とか言っちゃいそう(笑)。でも楽しいと思います。一緒に住むということは会話がないとですから。1日に起きた出来事を話し合えることはいいことだと思います。食卓を挟みながら楽しく会話をして、おいしいものを食べるというのはいいですね。

理想の夫婦像は「自分と違う面」「手をつないで散歩」

――それでいうと一子と二也は岡田さんの理想の夫婦像に近い部分もあるかもしれませんね。高畑さんは理想の夫婦像はありますか?

高畑: 一子と二也は互いが自分自身みたいになってしまって、異性として見ることができなくなってしまいますが、私は親友にしてもパートナーにしても、自分と違う観点を持っていてほしい。私自身いろんなことを思いついたらとパッといってしまうタイプなので、そうじゃない観点を持った人が周りにいると「あっ、そういう考えもあったのか」と選択肢が広がるなと、いつも思うのでパートナーにしても性格がそっくりな人よりは違う面を持っている人の方が、異性としても見続けられるし、単純に自分自身の選択の広がりも感じられるかなと思います。

――改めて岡田さんの理想の夫婦像があればお伺いしたいです。

岡田:僕は今とかではなくて60歳・70歳のおじいちゃん、おばあちゃんになったときに手をつないで散歩ができる夫婦が理想。たまに町を散歩していて、おじいちゃんとおばあちゃんが2人で手をつないでいる姿を見ると、素敵な光景を見たなと思うんです。あんな夫婦になれたらいいなと常々思っています。

高畑:私も見ると得した気持ちになります。

岡田:海外とかに行くと見かけますが、日本は特に少ない印象なんですよね。恥ずかしさがあるのかなと思うんですけど、見ている方はすごくいいものを見ている感覚になります。

■高畑充希
1991年12月14日生まれ。大阪府出身。近年の出演作に、映画『浜の朝日の嘘つきどもと』(21)、『怪物』(23)、『ゴールデンカムイ』(24)、『ムチャブリ! わたしが社長になるなんて』(日本テレビ)、『unknown』(テレビ朝日)、舞台『宝飾時計』など。現在放送中のNHK大河ドラマ『光る君へ』にも出演中。

■岡田将生
1989年8月15日生まれ。東京都出身。近年の出演作に、映画『1秒先の彼』、『ゆとりですがなにか インターナショナル』(23)、『ゴールド・ボーイ』(24)など。8月23日には映画『ラストマイル』、11月には『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』の公開も控えている。また、現在放送中のNHK連続テレビ小説『虎に翼』にも出演中。