暑い夏は冷たい麺類が食べたくなる。冷やし中華からそば、うどんまで冷たい麺も種類が豊富。山形県では、スライスした鶏肉を入れた肉そばが愛されているという。

山形県に行ってさくらんぼ収穫作業の休憩中の皆さんに聞いてみた。「暑い時は冷たいそばがうまいのよ〜」と言うから、やはりなじみの食べ物らしい。「フード食品だべね」と言うおじさんがいて、「ソウルフードな!」とつっこまれていた。

山形の街を歩くと、「冷たい肉そば」を掲げた店があちこちにある。

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県内の200軒以上のお店で肉そばを扱うというから、どこでも食べられると言っていい。

山形市の少し北にある河北町の一寸亭には暑いのに行列ができている。

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もちろん、お目当ては冷たい肉そば。お客さんたちは、でてきた肉そばの結構太めな麺をずるずるすすり、スープも飲み干してしまう。

お客さんに聞くと、麺は硬めで、だからこそ食感があっておいしいのだと言う。

「A級グルメ!永遠に食べたい永久グルメ」なるほど、うまいことおっしゃる。

鶏肉も硬めで締まっているのは、親鶏を使っているから。

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お客さんが「俺らみたいの使ってるから。」だって。「スープも親鶏でとってる。ラーメンに近いかも。」へー、鰹出汁じゃなくて鶏の出汁でそばを食べるなんて面白い。

今度は同じく河北町にある白鳥十郎そば本舗に行くと、ここでも冷たい肉そばが人気。夏は週に2〜3回は食べるというお父さんが「冬でも食べるんだよね」。冬も冷たいそばを?

別のお父さんは「あたたかいのをなんで食べるんですか?」と、冬も冷たいそばが当たり前だと主張する。

というのも、冷たい肉そばは常温が普通。「お冷やの方が冷たい」とお父さん。そうなんだ!

スープを冷やしすぎると脂が固まってしまうので、冷やした後は氷から出して常温保存するそうだ。

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また冷たい肉そばは量が多い。普通、日本そばは150g程度だが、白鳥十郎そば本舗の店主は「うちは215g」だと言う。

先ほどの一寸亭の特盛はもっとすごい。なんと500g

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それをお父さん、ずるずる美味しそうに食べている。多すぎでは?「今日の夜また食べたっていいよ。」そんなに好きなのね!

冷たい肉そばは河北町で生まれた食べ物。大正時代は馬の肉を乗せていたが、戦争で馬が駆り出されてしまい、代わりに使ったのが親鶏だった。

また当時、肉そばは酒のつまみに食べていた。だがあたたかいとそばが伸びてしまう。そこで冷たくして食べるようになり、それが広まったのだ。

冷たい肉そばを、山形のあたたかい人々と一緒に食べてみたいね。この夏は、山形に行ってみっか!