山形県に行ってさくらんぼ収穫作業の休憩中の皆さんに聞いてみた。「暑い時は冷たいそばがうまいのよ〜」と言うから、やはりなじみの食べ物らしい。「フード食品だべね」と言うおじさんがいて、「ソウルフードな!」とつっこまれていた。
山形の街を歩くと、「冷たい肉そば」を掲げた店があちこちにある。
山形市の少し北にある河北町の一寸亭には暑いのに行列ができている。
お客さんに聞くと、麺は硬めで、だからこそ食感があっておいしいのだと言う。
「A級グルメ!永遠に食べたい永久グルメ」なるほど、うまいことおっしゃる。
鶏肉も硬めで締まっているのは、親鶏を使っているから。
今度は同じく河北町にある白鳥十郎そば本舗に行くと、ここでも冷たい肉そばが人気。夏は週に2〜3回は食べるというお父さんが「冬でも食べるんだよね」。冬も冷たいそばを?
別のお父さんは「あたたかいのをなんで食べるんですか?」と、冬も冷たいそばが当たり前だと主張する。
というのも、冷たい肉そばは常温が普通。「お冷やの方が冷たい」とお父さん。そうなんだ!
スープを冷やしすぎると脂が固まってしまうので、冷やした後は氷から出して常温保存するそうだ。
先ほどの一寸亭の特盛はもっとすごい。なんと500g!
冷たい肉そばは河北町で生まれた食べ物。大正時代は馬の肉を乗せていたが、戦争で馬が駆り出されてしまい、代わりに使ったのが親鶏だった。
また当時、肉そばは酒のつまみに食べていた。だがあたたかいとそばが伸びてしまう。そこで冷たくして食べるようになり、それが広まったのだ。
冷たい肉そばを、山形のあたたかい人々と一緒に食べてみたいね。この夏は、山形に行ってみっか!