2012年3月にNHKを退職し、フリーアナウンサー転身後、バラエティなどで大活躍している神田愛花。今月8日に発売した初のエッセイ本『王道っていう道、どこに通ってますか?』(講談社)では、王道を歩んでこなかったこれまでの人生を振り返りつつ、40代の今の思いや、妻としての覚悟もつづっている。神田にインタビューし、仕事と家庭との両立や、昨年の秋に下したという“決断”について話を聞いた。

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    神田愛花 撮影:蔦野裕

結婚して「心から笑っている時間が多くなりました」

同書は、現在『FRIDAY』で連載している『わたしとピンクと、時々NY』をまとめ、加筆・再構成したエッセイ本。王道を歩めず悔しい思いをし、コンプレックスを抱いていたという神田だが、ここ数年で「王道から外れた人生でよかった」とやっと思えるようになったそうで、「王道じゃない道を歩んできたことで、何も背負わず生きていられるんだなと。今すごく楽な気持ちでのびのびと生きられていてありがたいなと思っています」と笑顔を見せる。

アナウンサーとしての夢は、帯の報道番組のMCを担当すること。NHK時代も、フリーになってバラエティで活躍するようになってからも変わらないそうで、「報道はワクワクするんです! 時代が動いているという、その近くにいると『生きている!』と感じられて。自分の肌で感じたことをお伝えしたいという思いもありますし、今地球で起きていることをちゃんと把握することが生きている喜びになるので、報道に関わっていきたいなと思っています」と報道番組への熱い思いを明かす。

フリー転身後、まずは多くの人に知ってもらう必要があると考え、どんな仕事も受けるようにしていたら、バラエティに引っ張りだこに。2023年にスタートしたフジテレビ系昼のバラエティ番組『ぽかぽか』ではハライチとともにMCに抜てき。テレビ出演本数が前年から240本増の363本となり、「2023ブレイクタレント」(ニホンモニター)で1位に輝いた。

「心から笑っている時間が多くなりました」と結婚後の変化も明かし、仕事にもプラスになっていると語る。

「自分が笑っている声も番組の活気の1つの要素だと考えて声を出したりしているのですが、それが仕事だという感覚ではなくて、心から楽しめるように。環境に慣れてきたというのもあると思いますが、プライベートが落ち着いているから仕事場でもちゃんと楽しめる状況になっているのかなと感じています」

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仕事量調整を決断「家庭がちゃんと維持できる状態でお仕事ができれば」

40代になってからの変化を尋ねると「体の回復が遅くなってきました。若ければ睡眠時間を短くして仕事も家事も両方全力でできると思いますが、40代になってくるとちゃんと寝ないと無理になり、家事をちゃんとできないことにイライラしてしまって」と吐露。そこで昨年の秋に、「仕事量を調節し、受けた仕事には全力で臨み、家庭にも全力を注ぐ」という決断をしたそうで、同書でも「日村愛花の覚悟」としてこの決断についてつづっている。

仕事の調整はマネージャーに任せているものの、自分としては『ぽかぽか』以外の仕事は週3~4日ぐらいにし、あとは家事の時間にしたいと考えているという。

「本当はいただいたお仕事を全部しなければいけない業界なので、生意気なことをしているというのはわかっていますが、家庭がぐちゃぐちゃになってしまっては、元も子もないなと。どっちか二者択一となったら私は家庭を選ばなければと思っているので、家庭がちゃんと維持できる状態でお仕事ができればと思い、“日村愛花の誓い”という感じでエッセイでも書かせていただきました」

そして、家庭での“日村愛花”としての時間は「とても大事です」と言い、「主婦の役割は人それぞれだと思いますが、私は自分自身ですべての家事をしたいと思っているので、全部やれてない状態で家にいてもなんか落ち着かないし、イライラしてしまうんです。それがちゃんとできるという状態にしておかないと、結局休まらなくて。仕事にも影響が出て、パフォーマンスが良くならなくなってしまいます」と説明。「家が居心地のいい環境であることが私にとっては大事なので、その役割を果たしながら、お仕事も全力で頑張っていけたらと」と抱負を語ってくれた。

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■神田愛花
1980年5月29日生まれ、神奈川県出身。2003年4月NHK入局。『爆笑オンエアバトル』、『ワンダー×ワンダー』などを担当。2012年4月からフリーに転身。報道からバラエティまで幅広く活躍し、2023年1月からフジテレビ系の昼のバラエティ番組『ぽかぽか』でメインMCを務めている。趣味は海釣りで一級小型船舶操縦士の資格を持つ。