今のフェンシング日本代表は「史上最強」!? 太田雄貴がフェンシングの魅力・楽しみ方を解説
モデル・タレントとして活躍するユージと、フリーアナウンサーの吉田明世がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」(毎週月曜~金曜6:00~9:00)。今回の放送のコーナー「リポビタンD TREND NET」のテーマは「日本勢のメダルも期待!“フェンシング”の魅力と楽しみ方!」。日本フェンシング界初のオリンピックメダリストで、国際フェンシング連盟・理事の太田雄貴さんに解説していただきました。

吉田明世、太田雄貴さん

◆歴史ある競技「フェンシング」 日本はなかなかメダルが取れなかった?

吉田:今朝は太田雄貴さんと一緒にお届けしています。パリ・オリンピックでも注目競技の1つ、フェンシングを楽しむためのポイントを伺います。

まずは、フェンシングについてよく知らないという方に向けて、どんな競技なのか、基本的なことを教えてください。

太田:フェンシングは「フルーレ」「エペ」「サーブル」と3種目あります。発祥と使う剣、ルールが違います。簡単に言うと100mと5,000mのマラソンのように、同じフォームですが必要な要素が違います。なので二刀流ということではありません。

吉田:太田さんはどの種目をされていたのですか?

太田:私は「フルーレ」です。フルーレは「エペ」の練習用で開発されたもので、「きれいに魅せること」を重視している種目です。

吉田:なるほど。実は、オリンピックにおいてフェンシングは歴史のある競技なんですよね?

太田:そうなんです。1896年から採用されています。歴史のある競技には水泳、陸上、体操、フェンシングがありますが、実は日本はずっとフェンシングのメダルがありませんでした。2008年の北京で私がメダルを取るまで、「いつになったら(日本は)メダルを取るの?」なんて言われていました。これは100年ぐらい歴史があるのに、日本人がメダルを取れていなかったからなんです。

吉田:日本はそれまで「取れそうなんだけど、取れない」っていう、強いイメージはあったのですか?

太田:1964年の東京オリンピックを頂点に、日本はずっと衰退していました。メダルを取れる強いイメージとは裏腹に、むしろ世界との差が開いてしまっていた現実がありました。

吉田:そこで太田さんが歴史を変えたということなんですよね。

太田:いえいえ、恐れ多いです。

◆パリ五輪で活躍する世代はメダル獲得モチベーションが高い

吉田:第1回アテネ大会(1896年)からフェンシング競技はあったということですが。やっぱりメダルを獲得したあとは、フェンシング界の流れが変わった感じはありますか?

太田:そうですね。北京に行くときに空港のお見送りの記者の方々は2人でしたが、帰国したときは200人いました。まさに浦島太郎という感じで、一夜にしてガラッと変わることで、オリンピックのメダルの威力の凄さみたいなものを感じたことを覚えています。

吉田:そこでやっぱり「フェンシングを始めたい!」と思う子どもたちも増えたのではないでしょうか?

太田:まさにパリ・オリンピックで活躍するであろう世代は、私がメダルを取ったあとか、ちょうどそれと同じくらいのタイミングで始めた子たちが選手になります。そうすると最初から「自分たちは金メダルを取るんだ!」という気持ちでフェンシングをしています。

吉田:なるほど。メダルがなかなか取れない競技から、太田さんが取ったことによって「メダルを狙える競技」っていう認識に変わったんですね!

太田:「自分でも取れる!」と思ってやっているのといないのでは、(マインドが)大きく違います。「いける、いける」と思って、今の子たちはフェンシングをしています。

吉田:実は私が通っていた小学校の体育の先生に元フェンシングの選手の方がいまして、小学生のときに授業でフェンシングをしたのですが、あまり理解していなかったという……。

太田:お願いしますよ! フェンシングは3種目があるということを、みなさん覚えていってください。

吉田:「フルーレ」「エペ」「サーブル」ですね。

◆旗手を務めるのは女子サーブル・江村美咲選手

吉田:そして今年は女子サーブルの江村美咲選手が、なんと開会式で日本選手団の旗手を務めるということですね!

太田:凄いですよね!

吉田:旗手を務めるというのは、どのようなことでしょうか?

太田:憧れですよね! 選手の憧れの1つが「旗手になりたい」だと思います。江村選手は現在、世界選手権2連覇中です。フェンシングだけに活動の幅を止めずに、いろいろな企業さんとのタイアップだったり、モデル的に活動もしたりとか、本当にさまざまな分野でご活躍しています。まさに、これからみなさまにもっと知れわたっていく選手になると思います。

吉田:このタイミングであまりプレッシャーをかけるのはよくありませんが、やっぱりメダル候補として期待していいですか?

太田:はい。本人もそこはもう分かっていると思うので、メダルと言わず、金メダルを取ってほしいです。本人としても狙っていると思うので、個人、団体ともに期待しています。

吉田:江村選手と交流はあったりするんですか?

太田:そうですね。選手のときも被っているので、この間も日本選手団の決起集会があって「頑張ってきてね」ってお伝えしました。

◆今のフェンシング日本代表は「史上最強」?

吉田:男子と女子含めて今回のフェンシング日本代表チーム。太田さんの目からみていかがでしょうか?

太田:史上最強です! いろいろなスポーツで今年は活躍が期待されていますが、他の競技に引けを取らないぐらいフェンシングは活躍できると思います。どの種目でもメダルが取れるので、どこが着火剤になってメダルを取るかっていう流れになると思います。

吉田:今大会で注目しておきたい競技の1つであるフェンシングですが、ここで改めて観戦するときの楽しみ方のポイントを教えてください。

太田:まず、剣の動きがめちゃくちゃ速いです。これはテレビで観てもなかなか分からないですが、分からないままでもいいので、選手の動きの美しさを観てもらえたら嬉しいです。

吉田:美しさ、芸術性みたいなところも楽しみの1つですよね。

太田:中腰でずっと動いているのは疲れるのですが、それを感じさせないように選手が優雅に動いてくれるので“芸術”として観てもらえると、また違った楽しみ方ができると思います。

吉田:今回のフェンシング日本代表チーム、史上最強のメンバーが集まっているとのことで、みなさんもぜひフェンシングに注目してください!

<番組概要>

番組名:ONE MORNING

放送日時:毎週月曜~金曜6:00~9:00

パーソナリティ:ユージ、吉田明世

番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/one/