ファミリーマートが7月16日、デジタル戦略説明会「カスタマーリンクプラットフォーム Power UP〜筋トレ大作戦〜」を本社で開催した。2019年7月から決済機能付きアプリ「ファミペイ」を提供開始、店舗のレジ上部にデジタルサイネージ「FamilyMartVision」を設置するなど、デジタル戦略に力を入れてきた同社。今後さらにデジタルの力を活用し、私たちがよりお得に買い物しやすくなるとのこと。なにが変わるのか紹介しよう。
インフレ本番の世の中、客と強力な「コンビに」目指す
細見研介 代表取締役社長は「17年ぶりにゼロ金利が解除され、これからがインフレの本番になると考えている。金利のある世界でさらに成長するためにはお客様とより強力に『コンビに』なることが必要不可欠」と語った。そのためにファミペイの新たなプログラム、アプリ上に表示するデジタル広告、店舗でのデジタルサイネージ、クレジットカードなどの金融サービスなどを活用していくという。
「ファミペイ」はお買い物をすればするほどお得に
ファミペイはファミリーマートの公式アプリで、現在2,000万ダウンロードを突破。7月2日からは「ファミマメンバーズプログラム」を開始した。
このプログラムは、ファミリーマートでファミペイを提示して買い物すると、月間の来店回数と購入金額に応じて翌月のランクが決定、ランクに応じてクーポンやポイントが進呈される仕組みだ。
たとえば3回以上の来店かつ3,000円以上利用では「シルバー」、8回以上来店かつ8,000円以上利用では「ゴールド」、15回以上来店かつ15,000円以上利用では「アンバサダー」とランク分けがされている。
さらに今後は、リアルタイムでの情報発信ができるビーコンが導入される。ファミペイをインストールしたスマートフォンを持ってファミリーマート店内に入ると、リアルタイムでプッシュ通知としてアプリ上に自分に合った広告が表示されるというものだ。たとえば「今なら中華まんが50円引き」「今週のおすすめはこれ」といった内容。不要な人は設定でオフにすることができ、一日に何度も届くということはない。過去の購入履歴や年齢を考慮した上で届くので、より自分に合ったおすすめがされるとのこと。コンビニを利用する多くの客はいつも決まったものを買うことが多いが「実は新しい商品も気になる」というニーズに応えるためのサービスだという。
ファミペイ内に「ミニアプリ」としてメーカーの専用ページも登場。新商品情報はもちろん、クイズやアンケートなどが登場し、ファミリーマートでのお買い物がより楽しくなる予定だ。現在、日本コカ・コーラ、サントリー、サントリーフーズなどの専用ページが登場予定。
店舗内のデジタルサイネージに企業が独自広告
FamilyMartVisionは、店舗内にある横長のデジタルサイネージ広告。すでに1万店に設置完了している。今後は大都市圏を中心に追加で2,000台設置予定だ。レジ上部に設置されていることが多く、大きなサイズで店内のどこからでも目立つ存在。
1日に1,000万人にリーチする「媒体」としても大きな存在だが、決してファミマ店内で販売されている商品の宣伝だけを行っているわけではないという。2024年度には多種多様な250社以上が広告を出しており、店頭に商品がない企業の割合は60%以上。決して店内の商品を勧めるだけの存在ではない。たとえば過去には30都道府県と連携し、その地域の方言で熱中症対策の啓発動画を流す取り組みも行った。
ファミペイカードはチャージが便利に&リアルカードも登場
これまでファミペイにチャージするには店頭チャージ・翌月払いでのチャージ・クレジットカードのチャージ・銀行チャージの4つの方法があった。これまで銀行チャージができるのは11行だったが、今年10月からは100行へと大幅に増加、より身近な金融機関でのチャージが可能となる。
ファミペイ内にあるバーチャルカード「ファミペイカード」はファミマ以外でも260万カ所で買い物できる。来年の春にはリアルカードも発行予定。ガソリンスタンドや鉄道改札、海外加盟店など全JCB加盟店の国内外4,900万店で使えるようになる。