◆心躍る瞬間「着物を着るとき」
松下:今月は、俳優の牧瀬里穂さんをお迎えして“心躍る瞬間”についてお伺いしています。今回、お話いただくのはどんな瞬間でしょうか?
牧瀬:「お着物を着るとき」です。
松下:それでは、時計の針をその瞬間にしていきましょう。お洋服とお着物を着る割合はどのくらいですか?
牧瀬:もちろん、着物の方が断然少ないんですけれども、月に1・2回は着ます。
松下:素敵です。お着物歴はどれくらいになりますか?
牧瀬:買い始めたのは20代前半で、自分で着始めたのは30代後半なので、15年くらいになるでしょうか。
松下:じゃあ、今では着付けもご自分で?
牧瀬:はい、習いに行って自分で着ています。
松下:すごいですね! きっかけは何でしたか?
牧瀬:小さい頃にバレエと日舞(日本舞踊)を習っていたのですが、母親に「どちらかにしましょうね」と言われて、そのときは“じゃあ、バレエにしようかな”と思って、ずっとバレエを習っていたんですね。
それから東京に出てきて、このお仕事をさせていただくようになると、勉強のためにいろんな舞台を観るようになったんです。そこで初めて歌舞伎を観たときに“うわぁ、楽しい!”と思ったんですね。(歌舞伎はもっと)暗くて難解なものだと思っていたら、楽しい演目で着物も鮮やかで“こんなに華やかなものなんだ”って。そこから“着物ってかわいいな”と思い始めたんです。
松下:ガラッと印象が変わったことがきっかけなんですね、観た演目がそうさせてくれたんですね。
牧瀬:(演目が)良かったですね。そのときから(着物を)自分なりに勉強し始めて、改めて日舞を習い始めたら(その教室に)林真理子先生がいらっしゃって。林先生の行きつけの呉服屋さんに連れて行ってもらったりして、お着物が少しずつ増えていった感じです。
松下:洋服と着物って、文化も着こなし方もまったく違うじゃないですか。(着物の世界は)どこから入っていけばいいのか難しいですし、やっぱり(私からすると)お着物って敷居が高いと言いますか。どのようにスタートしていくのが良いですか?
牧瀬:呉服屋さんに教えていただくことも大事だと思うし、自分で着物雑誌を読んで勉強することも大事だと思っています。でも私のなかでは、言葉が変かもしれませんが“コスプレ”だと思っています(笑)。
松下:なるほど(笑)。
牧瀬:だから“楽しもう”という気持ちが大事だと思います。
松下:好きなものを好きなように着て。
牧瀬:そうですね。
松下:ちなみに、今の時期はどういうものがお好みですか?
牧瀬:この時期だと爽やかな色。着物って、夏物だとしても重ねて着るので暑いんですけれども、自分は暑いのを我慢して、見ていただく方に“爽やかさ”を届けられるように、という心がけをしています。
松下:海外でもお召しになったことはありますか?
牧瀬:あります、お友達のウエディングパーティーとかで。
松下:そこでは(海外の方から)写真をたくさん撮られるんじゃないですか?
牧瀬:間近で(着物を)見たことがない方が多いので、帯のお太鼓のところを見て「このクッションは何?」って、すごく興味を持ってくださいます。
松下:お気に入りのお着物を着て、お出かけすることもありますか?
牧瀬:お友達とランチに行くときとか、観劇に行くときとか。なるべく“特別な日”とはあまり考えないようにして(着物を)着ています。
松下:それが一番素敵! 理想です。“着物だからこうしよう”じゃなくて、日常に着物を取り入れられるのって、一番贅沢な楽しみ方だと思います。
<番組概要>
番組名:Grand Seiko presents My Time My Story
放送日時:毎週土曜 12:00~12:25
パーソナリティ:松下奈緒
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/mystory/