ランボルギーニが開催する「Lamborghini Esperienza GIRO Japan」は、正規ディーラーで購入した人だけが参加できる特別なイベントだ。イタリアをはじめアメリカ、中国など世界各地でも開催されており、日本でも2017年から実施されている。今年の開催地は沖縄。美しい海を舞台に沖縄の南部から北部まで、20台以上のランボルギーニが走行した。
【画像】風光明媚な沖縄の地を、愛車のランボルギーニで巡る(写真20点)
今年で数えて7回目となるLamborghini Esperienza GIRO Japan2024が沖縄本島を舞台に開催された。「日本中から集まったランボルギーニ・ファンが美しい景色のなかを”旅”し、ともにランボルギーニへの愛情を深める」ことをテーマとするGIRO Japanは、これまで名古屋・大阪、北海道、九州、京都・奈良などで開催されてきたが、本州から遠く離れた島を訪れるのは今回が初めて。聞けば、参加者からの強い希望を受けて、沖縄での開催が決まったという。
イベント初日は本島南部の琉球ホテル&リゾート名城ビーチにチェックイン後、簡単なドライバーズミーティングに続いて出発式を実施し、20台の参加車とサポート部隊などがおよそ500kmにおよぶ”GIRO(イタリア語で「旅」の意味)”へと旅立っていった。
3日間の日程で開催されるGIRO Japanは、これまでイベント初日は参加者が集合するだけで実際に走行することはなかったが、「沖縄の美しい大自然を目の前にして走らない手はない」とばかりに自慢のランボルギーニで走り出す様は、サンタアガタ・ボロネーゼ生まれのスーパーカーに対する皆さんの情熱を象徴しているかのようで、実に興味深かった。
参加車両の多くはウラカンだったが、まだ日本上陸を果たしたばかりのステラートや昨年限定販売された”60周年記念モデル”などが少なからず含まれていたことは驚きだった。そのほか、アヴァンタドールやウルスに混じって2台の”クラシック”クンタッチも姿を現し、イベントに華を添えていた。
ちなみに、参加台数の20台は、私が知る限り、GIRO Japanとして最小のはず。もっとも、それは遠隔地の開催で参加者が集まらなかったためではなく、ランボルギーニ側がこのイベントに相応しいオーナーを”厳選”した結果だったという声を耳にした。なるほど、今回の”GIRO”は、私がこれまでに参加した3回に比べても「大きく進化した」と思わせる部分が数多く見受けられた。それだけ質の高いサービスを提供するためにも、参加者を絞らざるをえなかったのだろう。
そのことは、本島の風光明媚なポイントを巡るルート設定が見事だったり、琉球ホテルやリッツ・カールトン沖縄などのホテル、そしてランチやディナーのメニューが傑出していたことはもちろんだが、移動中や立ち寄り地での車両誘導が完璧だったり、万一のトラブルがあったときに迅速なバックアップが受けられる点などにも表れていた。
なかでも私がもっとも感動したのは、初日の晩にディナー会場で行われたショー。琉球音楽、琉球空手の演武、エイサーなどをランボルギーニ・ジャパンのスタッフが独自に組み合わせ、”琉球絵巻”として一種の総合芸術に仕立てたものだったが、演者の皆さんの気迫がすさまじく、あまりの感動で私もうっすら涙を流してしまったほど。ディナー中の単なる余興に留まらない芸術的完成度は今回のイベントの白眉といってもいいくらいで、このショーを見られただけでも参加した価値があったと思わせるものだった。
本島の中部を巡るイベント2日目も古宇利大橋の絶景などを満喫したが、3日目は天候の急速な悪化が見込まれたためにルートを短縮したことも、安全面を考えれば優れた判断だったといえる。
なお、全3日間を通じてランボルギーニ・ジャパン代表のダビデ・スフレコラ氏が同行し、参加者たちと熱心にコミュニケーションを深めていたことも、同社のこのイベントに対する思いの深さが表れているような気がした。
さて、来年のGIROはどこを訪れるのだろうか?熱心なランボルギーニ・ファンに忘れられない驚きと感動をもたらすべく、イベント関係者が熱心なリサーチをすでに始めていることは間違いないだろう。
文:大谷達也 写真:アウトモビリ・ランボルギーニ
Words:Tatsuya OTANI Photography:Automobili Lamborghini S.p.A.