第45回将棋日本シリーズJTプロ公式戦1回戦第二局、豊島将之九段と糸谷哲郎八段の対局が、7月13日(土)に香川県高松市のサンメッセ香川で行われました。振り駒により、先手は糸谷八段、後手は豊島九段となりました。熱戦の結果、148手で豊島九段が勝利しました。

相雁木の先後同型で対局は進行。前回同シリーズの両者の対局とほぼ同様の展開で、両者想定範囲内なのか短時間に手がどんどん進みます。

後手は1筋から攻め込み、先手はこれを受けて角桂交換をします。先手はもう一枚の角を入手しましたが、後手は歩を豊富に持ち駒にしています。

先手は盤面右側から後手陣を崩していきます。後手も1筋にと金を送り込んでいるものの、先手の攻めが続き攻め切れません。ここで豊島九段は攻守に効く角を4筋に配置しますが、糸谷八段はさらに1筋に飛車を移動させ、右側からの攻略を弱めません。

先手が1筋に備えた香車と飛車のロケット弾に対し、後手は豊富な歩や香車でブレーキをかけていきます。4筋に配置した後手の角が盤面を支配していて、先手の突破口だったはずの1筋を後手に逆に利用され、成香やと金が雪崩を打って侵入してきます。

先手も後手陣にいた馬を4筋に呼び戻しますが、背後にひかえた後手の飛車が局面を支えており、攻めに踏み込むことができません。やがて先手玉を守っていた駒たちが釣り上げられ、糸谷玉は一人ぼっちになります。起死回生とばかりに、先手は攻防に効く自陣飛車を打ちますが、その後も後手の攻めが続き、糸谷八段が投了を告げました。

  • いったんは糸谷八段の気迫に押された感もありましたが、冷静に対処し、豊島九段が勝利をものにしました。(写真は第6期叡王戦五番勝負第4局のもの。提供:日本将棋連盟)

    いったんは糸谷八段の気迫に押された感もありましたが、冷静に対処し、豊島九段が勝利をものにしました。(写真は第6期叡王戦五番勝負第4局のもの。提供:日本将棋連盟)