ところが、貝を特に愛して頻繁に食べる県民がいる。それは、千葉県民。
千葉県民に貝について聞くと「みんな好きだと思います。」「身近にあるからね。」「千葉に生まれてよかったなあと思います。」やはり潮干狩りが近くでできるし、九十九里に行けば様々な貝が採れる。千葉県民にとって貝は身近な食材のようだ。
なんと2000種類以上の貝がいて、漁獲量は全国3位。
九十九里のファミリーに集まってもらいどんな貝が好きか聞くと、7歳児が「はまぐりを焼いて醤油つけて食べる。」と通な大人みたいなことを言う。子どもは貝はあまり好きじゃないイメージがあるけど、と言ったら「いや、大好きですよ!」と7歳児にすごまれた。
外房・山武市の水産直売所に行くと、巨大な生簀にはまぐりや岩牡蠣などがどっさり。お店のお兄さんが言うには「年間数十トンくらいは売れます。」そ、そんなに?!
勧められたのが「ながらみ」。
販売所に来たおばあさんが注文したのは「ぜんな」。
初めて聞く種類が続々出てきて千葉県の貝は奥が深い。だが千葉県民に人気の貝はやっぱり、はまぐり。
はまぐりは特別な時にお吸い物などで食する、ちょっと高級な貝に思えるが、九十九里の「焼きはま街道」と呼ばれる道沿いに、焼きはまぐりを名物にするお店が20軒以上ある。
木更津のご家庭では大量のあさりを準備。味噌汁に入れるのではなく、ひとつひとつの身をむいて、なんと串に刺している!衣をつけて揚げるから驚いた。
さらに千葉県民が言うには「船橋市のホンビノス貝も有名。」え?ホンビノスって何?「船橋にはホンビノスの歌もある。」って、なんで歌まで?
船橋市といえば都会のイメージがあるが、漁師さんが船を出して漁をすると、大きめの二枚貝が大漁。これがホンビノス貝か!漁師さんが教えてくれる。「元々は北米の貝で、外国船のバラスト水に混じって、船橋の海に定着しました。」えー?外来種ってこと?「はまぐりより肉厚で味が凝縮されてます。千葉のブランド水産物に認定されました。」ホンビノス貝がブランド!
そもそも、東京湾の千葉県側は海に行きやすい大地でものすごく貝が採れる環境だった。7000年くらい前から、たくさん貝塚ができているそうだ。千葉県内の貝塚は、日本最多の約770ヶ所。千葉県は縄文時代から貝王国だったのだ!
ながらみ、ぜんな、あさりのフライにホンビノスのクラムチャウダー。どれもこれもおいしそう!貝王国で食してみたい!