韓国Samsungは、フランス・パリで新しいスマートフォンなどの発表会「Galaxy Unpacked」を開催しました。例年通り、折りたたみスマートフォンの「Galaxy Z」シリーズに加え、ワイヤレスイヤホン「Galaxy Buds」、スマートウォッチ「Galaxy Watch」などの新製品が発表されました。韓国や米国などでは7月10日から予約を受け付け、7月24日から販売開始となります。

ここではスマートフォン以外の「Galaxy Buds」「Galaxy Watch」や新登場の「Galaxy Ring」の話題を中心にお届けします。折りたたみスマートフォンの「Galaxy Z」シリーズについては、もう1本のレポート記事をご覧ください。

  • フランス・パリで開催されたGalaxy Unpacked

    フランス・パリで開催されたGalaxy Unpacked。オンラインでもライブ配信がされていました

Galaxy AIのエコシステムに新たに加わる「Galaxy Ring」

イベントの冒頭に登壇したSamsungのMX Businessのプレジデント/ヘッドのTM Roh氏は、「Galaxy」シリーズに搭載されているAI機能の総称であるGalaxy AIをあらためて紹介したのちに、Galaxy AIがスマートフォンだけでなく、スマートウォッチやワイヤレスイヤホンなどのGalaxyのエコシステムにも拡大されるということを宣言します。

  • Galaxy AIのエコシステム

    Galaxy AIに対応する新たなエコシステムを構成するものとして、この日の新製品群は発表されました

ここでまず、端末ではなく健康管理アプリの「Samsung Health」アプリが紹介され、このアプリでは睡眠パターンや心拍数、活動レベル、ストレスなどの様々な身体のデータが管理できるといった説明がされました。

  • さまざまな健康データの取得イメージ

    様々な健康データを取得するためにはセンサーとなるデバイスが必要だが……

そして、そうしたデータを取得するデバイスとして発表されたのが「Galaxy Ring」です。すでに存在だけは発表されていましたが、ようやく発売日が確定した形です。指輪型のデバイスで、指に装着して各種健康データが取得できるようになります。

  • Galaxy Ring

    そこで登場したのが「Galaxy Ring」

睡眠モニタリング/心拍数/アクティビティなどのセンサーを備え、「Samsung Health」アプリと連携することで各種データの管理ができます。バッテリー駆動は7日間で、スマートウォッチに比べて長時間の連続利用が特徴です。

  • 3つのセンサーを搭載

    「Galaxy Ring」には3つのセンサーを搭載

指輪の素材はグレード5のチタニウム。10ATMの防水性能も備え、様々な温度や湿度の環境での動作を検証してきたと説明されます。

この「Galaxy Ring」と「Samsung Health」アプリを組み合わせ、取得したデータをGalaxy AIで分析することによって健康管理機能を強化した、といいます。装着した指を使った「Gesture」機能によって、カメラコントロールやアラーム解除といった操作も行えます。

サイズは5~13までの9段階。本体カラーはチタニウムブラック/チタニウムシルバー/チタニウムゴールドの3色で価格は399ドル。発売は7月24日から。残念ながら日本での発売は現時点では予定されていないようです。

  • 3色のカラー

    「Galaxy Ring」には3色のカラーを用意

  • 「Galaxy Ring」の主なスペック

    「Galaxy Ring」の主なスペック

「Galaxy Watch」には上位モデル「Ultra」が登場

同様にウェアラブル製品としてスマートウォッチの「Galaxy Watch Ultra」「Galaxy Watch7」の2モデルも発表されました。

  • Galaxy Watch Ultra

    特徴的なスタイルの「Galaxy Watch Ultra」

「Galaxy Watch Ultra」は従来の「Galaxy Watch」シリーズにあった円形のデザインにフレームを追加した新デザインを採用。グレード4チタニウムで10ATMの防水、海面下500mから高度9000mまでをカバーしたハイエンドのスマートウォッチです。

  • 「Galaxy Watch Ultra」の

    「Galaxy Watch Ultra」は3色のカラーを用意

デザイン一新、最高音質を実現した「Galaxy Buds3 Pro」

さらにもうひとつ、ワイヤレスイヤホンの「Galaxy Buds」シリーズが3世代目になり、「Galaxy Bud3 Pro」と「Galaxy Buds3」が発表されました。

  • Galaxy Buds3 Pro

    Galaxy Buds3 Pro

  • Galaxy Buds3

    Galaxy Buds3

ハイエンドモデルの「Buds3 Pro」はカナル型で、人の耳の形状を研究して生成AIで分析。「コンピュテーショナルデザイン」を採用して多くの人にフィットする形状にしました。ただ、それは「一面に過ぎない」といいます。

  • 下がカナル型の「Galaxy Buds3 Pro」。上がオープン型の「Galaxy Buds3」

    下がカナル型の「Galaxy Buds3 Pro」。上がオープン型の「Galaxy Buds3」

  • 「Buds3 Pro」のケースを空けたところ

    「Buds3 Pro」のケースを空けたところ

イヤホンを装着する際に、軽く入れたり深く差し込んだりと、装着の仕方は人それぞれ。そうした場合にも、内蔵マイクを使って音漏れを測定し、サウンドのイコライザとアクティブノイズキャンセリング(ANC)を動的に調整してオーディオ品質を高める仕組みを備えているそうです。

「Buds3 Proはこれまでで最もインテリジェントなサウンド体験を提供する」と同社。音楽を聴いているときや通話中は、機会学習ベースの強力なノイズリダクションエンジンでクリアな音質を実現。周囲の騒音に応じてANCの強度を切り替え、例えば工事現場の騒音はANCを強くします。逆に、救急車のサイレンを検出して聞き逃さないようにするサイレン検出も可能になりました。

強化された2Wayスピーカー、ウーファー用のデュアルアンプを内蔵。ツイーターも強化され、「従来比2倍の帯域に対応する」そうです。

  • 「Buds3 Pro」には2Wayスピーカーを搭載。ウーファーとツイーターも強化されています

「Galaxy Buds3」はオープン型で、1Wayスピーカーなど一部機能は削減されていますが、ANCなどの機能は同様に搭載しています。価格はBuds3が179ドル、Buds3 Proが249ドル。日本では27,500円、38,500円となっています。

  • 「Galaxy Buds3」と「Galaxy Buds3 Pro」の主な特徴

    「Galaxy Buds3」と「Galaxy Buds3 Pro」の主な特徴