去る6月27日、新型ベントレー・コンチネンタルGTCスピードがお披露目された。VWグループ傘下で誕生したコンチネンタルGTシリーズ、早くも4世代目を迎える。時代の変遷と共に、長年ベントレーの象徴であったW12エンジンは静かに幕を閉じ、その代わりに登場したのは脱炭素時代を見据えた新設計V8ハイブリッドシステムだ。
【画像】変更されたヘッドライトにも注目!ベントレー新型コンチネンタルGTCスピード初披露の様子(写真16点)
パワートレインは4リッター V8ツインターボエンジンに190psを誇る電気モーターを組み合わせ最高出力782ps、最大トルク1000Nmを実現。これはベントレー史上最強のパワーユニットとなる。0-100km/h加速はわずか3.2秒で、その俊足ぶりは、まさに現代のGTカーの頂点を極めたと言っても過言ではない。さらに、電気モーターのみでの走行距離も81km(EUドライブサイクル)を達成し、環境性能と走行性能の両立を図っている。
パワートレインの一新に加えて外観では、1950年代以来初となるシングルヘッドランプの採用が目を引く。歴史と伝統を重んじる正統派ブランドにとっては、”ラグジュアリーの再定義”という新たな哲学を体現しているのかもしれない。
「これみよがしな高級感ではないクワイエット・ラグジュアリィ、サステナビリティを考慮したエシカル・ラグジュアリィなど、新しいカタチのラグジュアリィが登場してきている昨今ですが、パフォーマンスとラグジュアリィの究極の融合というベントレーの価値観に変わりはありません」とベントレー・ジャパンのブランドダイレクター、遠藤克之輔氏は語った。
「既存のお客様には新しい”ウルトラパフォーマンス・ハイブリッド”(正式名称)のスポーティなパフォーマンスだけでなく、GTカーとしての進化をご体感頂けたらと思っています。一方、新規のお客様、特にブランド認知はあってもまだベントレー車をご体感頂いていない方とは様々なシーンにおける接点からご試乗頂く機会を設けたいと思っています」
実際、4代目のコンチネンタルGTCスピードは、 ”スニーク・プレビュー”と称して、とあるレジデンスにてお披露目会を催したそうだ。ガレージに収まる姿を眺めることで、招待客がベントレーと過ごす日々をイメージしやすくしたのだろう。
「ベントレーというブランドはご存じでも、お乗りになったことがない方々への新しいアプローチを今後、模索していくつもりです。既存のオーナー様は老若男女です。普段使いされる方、週末のロングドライブだけに運転される方、実に様々です。そして、ベントレー車の引き出しも様々あるので、どのようなシーンでも応えてくれると思っています」
今後、他ジャンルの高級ブランドとのコラボレーションすることで新しい顧客層との接点を見出したり、アーティストとのコラボレーションによるマリナーでのカスタマイズの楽しさを伝えたり、ツーリング・イベントを開催することなどを通じてベントレー・ブランドのさらなる浸透とブランド・ポジショニングの確立を図りたい、とも語ってくれた。
4世代目となるコンチネンタルGTシリーズの真価を、実際に体感できる日が待ち遠しい。コンチネンタルGTスピードは3930万3000円(税込)、コンチネンタルGTCスピードは4312万円(税込)で、日本でのデリバリー開始は2025年第一四半期を予定している。
文:古賀貴司(自動車王国) 写真:ベントレーモーターズ
Words: Takashi KOGA (carkingdom) Photography: Bentley Motors