7月19日公開の映画『化け猫あんずちゃん』のヒット祈願イベントが8日、東京・今戸神社で行われ、森山未來、五藤希愛、市川実和子、久野遥子監督、山下敦弘監督らが登場した。

  • 前列左から山下敦弘監督、久野遥子監督、森山未來、五藤希愛、市川実和子、後列左から近藤慶一、エマニュエル=アラン・レナール、ピエール・ポサロン

化け猫として人間社会に馴染んだあんずちゃんの日常を描いた本作。森山未來が主人公の化け猫の声と動きを担当し、第77回カンヌ国際映画祭「監督週間」で公式上映、アヌシー国際アニメーション映画祭2024では長編アニメーション部門へ正式出品されるなど、公開前から国内外で大きな話題を集めている。

そんな本作の公開を間近に控え、この日は招き猫の発祥の地と言われている東京・今戸神社でヒット祈願イベントを実施。キャストと久野監督、山下監督が本殿での祈願を終えた後、本殿を前にして報道陣向けのトークショーを行った。

主人公の化け猫・あんずちゃんの声を担当した森山は「パイロット版から数えると2020年に関わらせていただきました。この作品の撮影は2022年で、僕からしたら足掛け4年になります。まさかこんな大きな映画になって招き猫の発祥地でもある今戸神社でお披露目できる日が来るなんて思ってもいませんでした。面白いものですね」としみじみと振り返った。

本作は実写で撮影した映像からトレースし、アニメーションにする「ロトスコープ」という手法を採用。撮影現場でしか生まれないお芝居をアニメーションに落とし込んでいる。市川は「現場では稽古みたいな格好で、メイクもしませんでした。衣装もぬいぐるみの猫耳カチューシャと尻尾とベージュのTシャツと短パンでしたよね」と明かし、森山は「(スタイリストの)伊賀大介さんが衣装さんということをすっかり忘れてました(笑)」と苦笑い。

続けて森山は「ある種の自主映画感がすごかったですよね。何よりロトスコープで切り取られた動きが映像にトレースされていて、不思議な臨場感があって、観ていると不思議な気分になったし没入感もありました」と作品の出来栄えには自信も。市川も「本当に驚きました。あんずちゃんは点と線で描いたみたいなキャラクターですが、現実感たるや。そのギャップが本当にリアルで、音も実写映画そのままのリアルな感じで、そのギャップで本当にあんずちゃんがいるような感じでした。映像も美しかったです」と絶賛した。

注目の子役・五藤希愛は、あんずちゃんが世話をすることになった少女かりんの声を担当している。2年前の撮影から現在は13歳となり、この日は再会した森山や市川から「大きくなったね」と驚かれたという。そんな五藤は撮影当時を振り返り、「森山さんとは初日からご一緒させていただきましたが、木に登るシーンがあって、その時に本当に高い木まで猫みたいに登っていったのをすごいな~と思って見ていました。本当にあんずちゃんだなと思いました」と森山の身軽さに驚いたといい、「試写で観た時、実際に撮影した現場の風景やお芝居の掛け合いや動きをロトスコープ手法を使ってこだわって描かれていることに感激しました。何より私が演じたかりんちゃんをアニメーションとして観られて本当に嬉しかったです」と笑顔を見せていた。映画『化け猫あんずちゃん』は、7月19日より全国公開。