日本テレビ系ドキュメンタリー番組『NNNドキュメント’24』では、『未解決誘拐事件-吉川友梨さんがいない20年-』(読売テレビ制作)を、きょう7日に放送する。
2003年、大阪府熊取町で当時小学4年生だった吉川友梨さん(現在30)は、下校途中に同級生3人と別れた後、行方が分からなくなった。いまだ解決に至らない理由を探るため、かつての捜査員15人の証言を集めたほか、内部資料を独自入手。そこから見えたのは、被害者の命を守りながら捜査を進めるため慎重な判断を重ね、浮かんでは消える容疑者を追い続ける刑事たちの苦悩だった。
発生直後から7年間、第一線で捜査にあたった警察官・加津一真さんは「1日でも早く真実を明らかにしたいという気持ちは変わっていない」と語り、退職後も現場に足を運び続けたが、2019年、69歳で亡くなった。事件発生と同じ5月20日だった。
加津さんの上司でもあり、捜査を指揮した当時の刑事部長・坂口正芳さんは、初めてテレビカメラの前で事件について語り、「社会に不安を与えたまま大きな宿題を残してしまった。両親には申し訳なく思っている」と悔しさをにじませる。
あの日、一緒に下校していた3人の同級生は事件から丸20年となった昨年5月、再び通学路を歩き、当時の記憶をたどった。「なんとかして忘れられないようにしないといけないと思った」と、同級生のみさとさん(30)がカメラの前で胸の内を明かしたのも、この20年で初めてだった。
吉川友梨さんの両親は精神的な負担から取材に応じるのが難しくなったが、情報提供を呼びかける活動を続けている姿を通じて、今も決して諦めていないことを訴えかける。
未解決事件の「今」に、谷村美月のナレーションで迫る。