JR東日本とJR西日本は5日、在来線車両における装置・部品の共通化に向けて検討を開始したと発表した。装置・部品の調達を容易化するとともに、生産性の向上に寄与することで、持続的で安定した輸送サービスを提供するとしている。
両社は2024年4月に覚書を締結。在来線車両における装置・部品共通化の対象として、主電動機(モーター)、オイルダンパー、行先表示器、パンタグラフ等を計画しており、事業者の独自性と効率化のバランスを見ながら共通化対象部品を拡大するとのこと。使用する車両の装置・部品を共通化し、車両メーカー・サプライヤーの製造プロセスの効率化と生産性の向上に寄与することで、サプライチェーンの強靭化をめざす。これにより、効率的な装置・部品の調達が可能になる。
あわせて両社の設計プロセス効率化と設計技術向上をめざした交流、両社の取組みに賛同する事業者・車両メーカー・サプライヤーとの積極的な意見交換も行い、車両設計分野において会社の垣根を超えた連携を深めるとしている。
なお、両社は北陸新幹線E7系・W7系を共同設計した上で相互直通運転を行い、同一路線の新幹線を共同で運行。2023年4月には覚書を締結し、E7系・W7系をベースとした新幹線による自動運転の実現に向け、技術検討も協力して進めている。これまで新幹線での技術協力はあったが、今回のような在来線における技術的な連携は初とのこと。