MMD研究所は7月4日、高校生までの子供を持つ保護者6,000人を対象として2024年6月に実施した「子どものスマートフォン利用に関する調査」の結果を公表した。

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スマートフォンを持たせる時期として考えているのは「中学1年生」が最多

調査対象となった6,000人のうち、スマートフォンを持っていない子供が1人でもいるのは3,758人。さらにそのうち、スマートフォンを持たせる時期を具体的に検討している人は1,743人だった。

その1,743人がスマートフォンを持たせる時期として検討しているのは、「中学1年生」が26.4%で最多で、それに次ぐのは「中学卒業後」の13.0%。「小学1年生」という人も8.7%おり、卒業・新入学のタイミングでスマートフォンを持たせるという人が多い。

  • グラフ:スマートフォンを持たせることを検討している時期

    スマートフォンを持たせることを検討している時期

それ以外のタイミングだと、小学2~6年生は学年が上がるとともに割合が増えていくものの、中学2年生・3年生はともに2.2%。小学生の間は塾や習い事で必要が生じたりしてスマートフォンを持たせる契機があるのに対して、中学入学時にスマートフォンを持たせなかった家庭で中学卒業までの間にスマートフォンを持たせることは少ないようだ。

子供に持たせるスマートフォンの通信サービス1番人気は「docomo」

子供にスマートフォンを持たせるにあたり、検討しているサービスがあるという人は1,757人。一番人気は「docomo」で、「Y!mobile」「楽天モバイル」と続く。

  • グラフ:子供にスマートフォンを持たせる際に検討している通信サービス

    子供にスマートフォンを持たせる際に検討している通信サービス

家族割引狙いの選択が多いが、楽天モバイルのみ純粋な安さで選ばれている

子供が使うスマートフォンの通信サービスの選択理由が次のグラフ。もっとも多いのは「親が利用している通信サービスと同じにすることでオトクになるから」の35.1%。次いで「通信料金が安いから」の21.5%、「ポイントが貯まるから」の16.8%と続く。

  • グラフ:通信サービスを選んだ理由

    通信サービスを選んだ理由

この回答を選択したサービス別にみると(上位6サービス)、5サービスが「親が利用している通信サービスと同じにすることでオトクになるから」となっているのに対し、楽天モバイルのみ「通信料金が安いから」となっている。楽天モバイルで通信量を抑えられるというイメージは強いようだ。「docomo」「au」「SoftBank」には、「子ども向けプランがあるから」という回答も一定数ある。

  • 表:通信サービスを選んだ理由(通信サービス別)

    通信サービスを選んだ理由(通信サービス別)

ネット依存症/スマホ依存症やコミュニケーショントラブルへの心配も大きい

子供にスマートフォンを持たせることを検討している2,877人を対象として、子供にスマートフォンを持たせる際の懸念点を複数回答で聞いた結果が次のグラフ。「ネット依存症/スマホ依存症」50.9%、「いじめなどコミュニケーショントラブル」44.5%、「睡眠不足や生活リズムの乱れ」36.7%が上位となっている。

  • グラフ:子どもにスマートフォンを持たせる際の懸念点

    子どもにスマートフォンを持たせる際の懸念点

スマートフォンを持たせたい理由は親子の連絡のため

そういった懸念がありつつも子供にスマートフォンを持たせることを検討している理由は、「緊急時に連絡を取り合うため」が55.6%で最多、それに次ぐのが「子どもの居場所を把握するため」32.8%と、親子間の連絡のためというのが上位2つを占めた。それに続くのが「子どもの友達同士のコミュニケーションのため」28.2%、「子どもの友達がスマートフォンを利用し始めたため」15.7%だが、やはり親が子供にスマートフォンを持たせる理由としては子供同士のコミュニケーションよりも親子の連絡のためという人が多いようだ。

  • グラフ:子どもにスマホを持たせることを検討している理由

    子どもにスマホを持たせることを検討している理由

調査概要

  • 調査名:子どものスマートフォン利用に関する調査
  • 調査期間:2024年6月14日~6月18日
  • 有効回答:6,000人 ※高校生までの子供がいる親の構成比に合わせてウエイトバックを実施
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査対象:高校生までの子どもを持つ親
  • 設問数 :11問