舞台 PARCO PRODUCE 2024『オーランド』のプレスコールが4日に都内で行われ、宮沢りえ、ウエンツ瑛士、河内大和、谷田歩、山崎一が登場した。
同作は、主人公・オーランドが、時代も国境もジェンダーも飛び越えて、数奇な運命に立ち向かい、真実の「私」を探求する物語。1992年には映画化もされている。青年貴族から女性へ変貌し、16世紀~20世紀を超えて生き続け、30代から年をとらないオーランドには、作者であるヴァージニア・ウルフによる、イギリスにおいてあらゆる女性の権利が制限されていた社会への風刺的な視点が込められている。今回は、男性中心の時代から女性が1人の人間として自立してゆく様子を、演出家・栗山民也氏の原案、詩人・岩切正一郎の翻案で舞台作品へと落とし込み、現代に甦らせた。
■宮沢りえ、舞台 PARCO PRODUCE 2024『オーランド』プレスコールに登場
今回行なわれたプレスコールに、宮沢は凛々しい青年貴族で登場。エリザベス女王から寵愛を受けるシーンや、ロシア大使の姪・サーシャに恋をするシーンなど約25分にわたって披露した。
青年から女性へと変貌し、激動の時代を生き抜く主人公・オーランドを演じる宮沢は「オーランド、台本を頂いた時、今までに無い感覚があって……どんな舞台になるのか不安でいっぱいでした」と回顧。
「その時、演出の栗山さんが『始めから想像がつく事よりおもしろいでしょ?』といたずらっ子の様におっしゃったお言葉を信じ、もがきながら稽古を重ねてきました。彩の国で初日を迎え、本当に温かい拍手を頂いた時、作品を創ることの喜びと興奮を浴びた感覚でした。その事をエネルギーに1ステージ1ステージ大切に、観客の皆さんと『オーランド』を体験していけたらと思います」とコメントした。
今回、オーランドが各時代で巡り合う年代・性別の異なる複数の人物を演じ分けるウエンツも、東京公演開幕を前に「まず無事に埼玉で幕を開けられた事、ホッとすると同時にとても感謝しています」と心境を明かし、「振り返れば1カ月この迷路のような台本と格闘していたと思うと、人生で最も濃い1カ月だったんじゃないかと思います。栗山さんの指し示す道に自分のできる事を最大限詰め込んで、時に先輩方に甘えながら真っ直ぐ歩いてきました。今はやっと1つの扉が開いただけ、ここからもっともっと『存在』を強めていきたいです」と意気込んだ。さらに「この作品の魅力は余白がある事だと思います。セリフは『詩』の様に沢山の意味を含んで、いまかいまかと発せられるのを待っています。その合間合間に、どれだけの情景や言葉を皆さまの脳内に浮かべられるかが勝負でありこの作品の醍醐味です。それは決して説明ではなく、表現ではなく、『存在』だと信じています。素敵なキャスト、スタッフに囲まれて幸せに毎日を過ごしています」と話した。
東京公演は5日から28日までPARCO劇場。その後、愛知公演が8月1日~4日に穂の国とよはし芸術劇場PLAT主ホール、兵庫公演が8月8日~11日に兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール、福岡公演が8月16日~18日にキャナルシティ劇場で行われる。