ひたちなか海浜鉄道は3日、老朽車両の更新および観光列車の新規導入に向けて、JR東日本とキハ100系3両の譲渡契約を締結すると発表した。社内外での整備を終え次第、営業運用に就くことになるという。
同社は茨城県ひたちなか市に本社を置き、茨城交通から湊線(勝田~阿字ヶ浦間14.3km)を引き継いで経営している第三セクター方式の鉄道事業者。茨城交通時代の自社発注車両をはじめ、1996年に水島臨海鉄道から購入した「キハ205」、2009年に購入した元三木鉄道(2008年廃止)の「ミキ300-103」、2015年にJR東海・東海交通事業から購入した「キハ11-5」「キハ11-6」「キハ11-7」といった車両が活躍している。
これらの車両のうち、「キハ205」は1965(昭和40)年に製造。ほぼ同時期に製造され、湊線で運行された「キハ2004」「キハ2005」などの気動車が引退した後も活躍を続けたが、車両の老朽化が進んでいた。今回、ひたちなか海浜鉄道はJR東日本からキハ100系3両を購入。あわせて湊線の現行車両のうち、「キハ205」と「ミキ300-103」を老朽車両として置き換える予定とした。
JR東日本のキハ100系は、キハ110系とともにローカル線のサービス改善を図るため開発された気動車。1990年以降、JR東日本の各エリアでキハ100系・キハ110系が投入され、国鉄時代からの気動車を置き換えていった。ひたちなか海浜鉄道の発表によれば、JR東日本から購入する車両は「キハ100-39」「キハ100-41」「キハ100-40」の3両とのこと。「キハ100-39」は「ミキ300-103」の代替、「キハ100-41」は「キハ205」の代替、「キハ100-40」は観光列車として導入される。
購入したキハ100系3両に関して、輸送契約にもとづく納車日は未定。譲受後、所定の整備を行い、湊線での運行に合わせて運用開始する予定となっている。観光列車のデザイン等は今後検討し、改めて発表する。