三岐鉄道は1日、長年にわたり三岐線の旅客輸送で運用している既存車両を置き換えるため、JR東海から211系を譲受したと発表した。今年度以降、三岐線での運用に必要な改造工事を実施し、順次投入する予定としている。
三岐線は近鉄富田~西藤原間(26.6km)で旅客営業を行い、地域に密着した交通機関として通勤・通学等で利用される。ほとんどの駅で駅前駐車場・駐輪場を無料で利用できるパーク&ライドを展開するなど利便性向上に努め、電車に自転車を無料で持ち込める「サイクルパス」も運行しているという。現在、三岐線の旅客列車は西武鉄道からの譲渡車両により運行され、かつての「赤電」塗装を再現した編成も活躍している。
JR東海は今後、315系を順次投入するとともに、同社発足後に新製された211系(5000番代)などの車両置換えを計画している。今年3月、JR東海管内での運行を終えた211系5000番代が三岐鉄道の富田駅構内などに現れ、鉄道ファンらを中心に話題となっていた。
三岐鉄道は三岐線で運用する既存の電車21両を置き換えるとしており、JR東海から譲受する211系(3両編成)の車両数は計30両で、うち24両を営業用として使用するとのこと。三岐線への具体的な投入時期については今後、準備でき次第、改めて発表する。