6月7日(金)、14日(金)の放送では、ゲストにエッセイストの松浦弥太郎さんが登場。ここでは、14日の内容をテキストで紹介します。旅先に必ず持っていくという“2つのお守り”について語ってくれました。
足を運ばないとわからない現地の音、空気、匂い。新たな文化と触れ合うことで、自分の価値観がアップデートされる感覚……旅は、今までの世界の見え方を一新してくれる最高のきっかけとなります。
そんなまだ見ぬ“魔法のような景色”を見せてくれる「旅」の魅力を木村文乃がナビゲート。新たな世界へ旅に出たくなるような時間をお届けします。
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1965年生まれ、東京都出身の松浦弥太郎さん。2006年から雑誌「暮しの手帖」(暮しの手帖社)編集長を9年間務め、Webメディア「くらしのきほん」を立ち上げます。旅にまつわるエッセイも上梓している松浦さんに、前週に引き続き“サンフランシスコ旅”について伺いました。
◆旅のお守りは2冊の本と指輪!?
――ここでは、予定を立てず旅先で過ごす時間を楽しむ松浦さんから“旅のおとも”について聞きました。
松浦:20歳ぐらいのときから同じなのですが、まず本が2冊。1冊はサリンジャーの「ナイン・ストーリーズ」という9つの短編集。もう1冊はジャック・ケルアックの「オン・ザ・ロード」という本で、ティーンエイジャーがアメリカを横断したり、友達同士で後先考えずに自由を旅した物語です。きっと誰しもが純粋な心を持っていて、サリンジャーはそのことを物語で表現しているから、すごく好きなんですよね。
木村:いつもこの2冊をおともに旅をするのですか?
松浦:はい。お守りのように持っていきます。何度も読んでいるし、僕が持っているのは英語版なので100%は理解していないのですが、旅先で本を1、2ページ読むことで心が落ち着くし、安心するんです。本が友達みたいな感覚です。万が一何かあっても、この本があれば大丈夫っていう存在です。
もう1つおともがあります。それは指輪です。ネイティブアメリカンが手作りしたターコイズの石が埋め込まれた指輪で、ニューヨークにいたときに20歳の誕生日プレゼントとして自分用に買いました。
木村:へええ! どんなところに惹かれたのですか?
松浦:たまたま、公園でネイティブアメリカンが集まるイベントがあったんです。パッと見たときに自分のほうに向いていたといいますか、自分に何かサインを送っているような気がして「これだ!」と思いました。それから現在に至るまで、旅行に行くときは必ず付けていきます。ジンクスっぽいですね。
木村:ターコイズって青い石のイメージですけど、実物はグリーンでちょっと大きめですよね。
松浦:そうなんですよ。なので、指輪をしていると初めはみんなギョッとして、そのあとに「いい指輪をしているね」と褒めてもらえるんです。アメリカ人って身に付けているものをけっこう褒めてくれるんですよ。“指輪がお守りになって自分を守ってくれるんだな”と思って、ずっと付けていますね。
番組では他にも、松浦さんが旅先で“朝ラン”する理由、旅先での過ごし方などについて語る場面もありました。
<番組情報>
番組名:Expedia presents Magical Scenery Tour
放送日時:毎週金曜12:00~12:30
パーソナリティ:木村文乃
番組Webサイト:https://audee.jp/program/show/300008049