歌舞伎俳優の松本幸四郎が、連続シリーズ『鬼平犯科帳 血頭の丹兵衛』が時代劇専門チャンネルで独占初放送(7月6日19:00~、7日13:00~ほか)されるにあたり、見どころなどを語った。
松本幸四郎主演の『鬼平犯科帳 SEASON1』のラストを飾る第4弾の『血頭の丹兵衛』。第3弾『でくの十蔵』で捕縛された盗賊・小房の粂八と江戸で凄惨な盗みを繰り返す盗賊「血頭の丹兵衛」を巡る物語が展開される。
時代劇専門チャンネル【スカパー!CS292】では『鬼平犯科帳 血頭の丹兵衛』の独占初放送を記念して、7月1日4時から6日17時50分まで無料放送を実施。松平健主演『暴れん坊将軍10』、松方弘樹主演『名奉行 遠山の金さん』、里見浩太朗主演『八百八町夢日記スペシャル』、市川染五郎(十代目松本幸四郎)主演『竜馬がゆく』、北大路欣也主演『剣客商売』などがラインナップされる。
幸四郎のコメントは、以下の通り。
――時を経て残虐な盗賊に成り代わってしまった盗賊・血頭の丹兵衛、恩義ある丹兵衛を信じようとする義理堅い小房の粂八、その粂八と語らう平蔵の姿から本作は登場人物が非常に粒だっていると感じますが、池波正太郎さんが描く鬼平犯科帳の魅力について幸四郎さんはどのようにお考えですか。
本作は迷いながら生きる粂八の苦悩と、それをしっかりと感じて更生へ導いてゆく平蔵を繊細に描いているところが魅力に感じます。『鬼平犯科帳』は、登場人物の人生が繊細に描かれているところが、傑作たる所以かと思います。
――本作は平蔵の優しさや愛を感じられる作品ですが、幸四郎さんご自身が演じる上で心掛けたところはどんなところでしょうか。
長谷川平蔵は、善人にも悪人にも平等に“人”として相対し、相手の“生き様”をある時は指し示し、ある時は見届けています。そういう平蔵の“生き様”はブレない確固たる自分があるからこそ、生まれるものだと感じており、その強さに私自身も惹かれています。平蔵の強さが “要”となるべく、演じています。
――本作は丹兵衛と粂八にスポットが当たりますが、古田新太さんや和田聰宏さんとの撮影の思い出や印象的なエピソードがあれば教えてください。
古田さんの柔らかくシャープな太刀筋に憧れて、劇団☆新感線の舞台に立ってきたので、“鬼平対丹兵衛”として刀を交えることに興奮しました。
和田さんは言葉では表せられない心情を、佇まいや表情から醸し出されるのでいつも魅力的に思います。普段は和田さんに“かわいいウソ”をついて、オロオロする姿を僕は楽しんでいます。
――粂八に丹兵衛を探らせようと思った理由として、平蔵は粂八のどんなところに可能性(魅力)を感じたと思いますか。
粂八の“自分の信じること”への純な姿に、平蔵は希望を感じたのではないかと思います。
――時代劇専門チャンネルで「鬼平犯科帳 血頭の丹兵衛」をご覧になる方に、見どころをお願いします。
自分自身を諦めずに生き続ける粂八、それを完全に否定する丹兵衛の転落した姿、それに正面から立ち向かう平蔵。いずれも懸命に生きている姿を感じていただきたいです。