6月7日(金)、14日(金)の放送では、ゲストにエッセイストの松浦弥太郎さんが登場。ここでは、アメリカ・サンフランシスコの魅力、旅の目的などについて語ってくれた7日(金)の内容をテキストで紹介します。
足を運ばないとわからない現地の音、空気、匂い。新たな文化と触れ合うことで、自分の価値観がアップデートされる感覚……旅は、今までの世界の見え方を一新してくれる最高のきっかけとなります。
そんなまだ見ぬ“魔法のような景色”を見せてくれる「旅」の魅力を木村文乃がナビゲート。新たな世界へ旅に出たくなるような時間をお届けします。
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1965年生まれ、東京都出身の松浦弥太郎さん。2006年から雑誌「暮しの手帖」(暮しの手帖社)編集長を9年間務め、Webメディア「くらしのきほん」を立ち上げます。旅にまつわるエッセイも上梓している松浦さんに、“サンフランシスコ旅”について伺いました。
――サンフランシスコは、さまざまなことを教えてくれた“第2の学校”だと話す松浦さん。サンフランシスコの名所、旅の目的について伺いました。
木村:松浦さんの旅行の目的はどのようなものですか?
松浦:僕にとっては観光というよりも、誰かに会いに行く感覚があります。
木村:サンフランシスコといえばゴールデン・ゲート・ブリッジが有名ですね。
松浦:そうですね。あとは、フィッシャーマンズワーフが有名な観光地です。ただ、そういう場所って歳を取ったときに訪れてもずっとあるでしょうし、いつ行ってもいいじゃないですか。そういう観光地よりも体験、その場所で触れ合う人たちの思い出が自分にとっては旅の喜びかなと思います。
木村:サンフランシスコで毎回行くところはありますか?
松浦:観光地っぽいといえばそうなんですけど、コイトタワーという、街を展望する消防のタワーがあるんですね。タワーは街の一番高い所にあって、そこから見る景色がすごく好きです。毎回タワーに行ってサンフランシスコを眺めて、帰ってきたという気持ちになっています。初心に返る感じですね。
あとは、好きなカフェがありますし、サンフランシスコの隣町・バークレーもすごく好きなので行きます。バークレーは学生街で、カリフォルニア大学バークレー校という、かなり頭のいい人たちが行く学校があり、若者が多いのと、高い建物がなくて、のどかなところなんですよね。
木村:松浦さんの自伝的エッセイ集「場所はいつも旅先だった」(集英社)では、「バークレーを旅するのは、大好きな人たちに会いたくなるからだ」と綴られていましたね。
松浦:バークレーの人たちは本当に自立していて、自由を愛して、そして人を愛する、人間関係を大切にする人たちなんですよね。とても親切でして、そこが日本と共通する部分を感じています。“小さい声”を聞いてくれるんですよ。
木村:小さい声というのは?
松浦:アメリカでは大きな声で主張する人たちが多いのですが、バークレーでは逆に大きな声で主張できない人たちを大切にします。静かに、小さい声で何かを語っている人が多くて、そういった人たちをみんなが支え合っている素敵な街なんですよね。
木村:街並や環境だけでなく、サンフランシスコの魅力は人だということですね。
松浦:料理、マラソン、釣りといったコミュニティが街のなかにたくさんあって、そういうもので人と人が繋がっていくことで生活が成り立っている。僕もこういう生き方をしたいなと、学ぶことがたくさんありましたね。
番組では他にも、松浦さんが17歳の頃に初めて訪れたサンフランシスコでの出来事や、初監督作品であるドキュメンタリー映画「場所はいつも旅先だった」などについて語る場面もありました。
<番組情報>
番組名:Expedia presents Magical Scenery Tour
放送日時:毎週金曜12:00~12:30
パーソナリティ:木村文乃
番組Webサイト:https://audee.jp/program/show/300008049