花王 ビューティリサーチ&クリエーションセンター(花王BRCC)は6月26日、「顔の肌」のための美容成分に関する調査結果を発表した。調査は2024年4月、20代~60代の女性2,000人を対象にインターネットで行われた。併せて、同社研究員による「ヒアルロン酸」についての"意外と知られていない真実"も紹介している。
興味関心のある成分トップ3は「ビタミンC」「コラーゲン」「ヒアルロン酸」
興味関心のある成分は、全年代計(20~60代)で、1位「ビタミンC」44.3%、2位「コラーゲン」41.5%、3位「ヒアルロン酸」40.2%と、昔から知られている王道成分がTOP3を占め、4位「セラミド」31.4%、5位「プラセンタ」29.5%と続いた。
年代別のランキングでは、全ての年代で「ビタミンC」「コラーゲン」「ヒアルロン酸」が5位以内にランクイン。20代で「CICA」、20~30代で「レチノール」、30代以降で「セラミド」、40代以降で「プラセンタ」があがっていた。さらに、年代ごとの順位推移を見ると、「ビタミンC」は40代以降で下降、「コラーゲン」は年代とともに上昇、「ヒアルロン酸」は全ての年代で3位以内となっていた。
興味関心を持った理由を聞いたところ、全年代計(20~60代)で、「顔の肌の悩みに効果が高そうだから」が48.1%と最も高く、「昔からある成分で安心だから」が21.4%、「美容医療で話題の成分だから」が16.3%と続いた。成分に対し、高い効果を期待しながらも安心に使いたいという気持ちが反映されている。
年代ごとに見てみると、20~30代では「SNSで話題の成分だから」、30~60代では「テレビ・新聞などのマスメディアで話題の成分だから」という項目が高く、美容情報源の違いがうかがえる。さらに、20代では「韓国コスメで話題の成分だから」が選ばれ、韓国コスメブームが美容成分選択にも影響していることがわかる。また、健康意識が高まる40代以上では、「顔の肌以外の悩みにも効果が高そうだから」も選ばれていた。
美容成分の効果のイメージ、同じ成分でも年代ごとの肌悩みに応じて異なる
興味関心があるTOP3の成分について、各成分の効果イメージを複数選択肢の中から回答してもらった。その結果、全年代計(20~60代)で、ビタミンCは「日やけによるシミ・ソバカスを防ぐ」が58.0%、コラーゲンは「皮膚にうるおいを与える」58.2%「肌にハリを与える」57.6%、ヒアルロン酸は「皮膚にうるおいを与える」が59.3%と、各成分に対して半数以上の人が持つ効果イメージがあった。王道の成分だけあって、広く一般に、成分それぞれのイメージが浸透していることわかる。
また、同一成分でも、年代ごとの肌悩みに応じて違いがみられた。ビタミンCは、年代とともに「日やけによるシミ・ソバカスを防ぐ」「シミ・ソバカスを改善する」が上昇し「ニキビを防ぐ」が下降。コラーゲンは「肌にハリを与える」が40代から急増し、「肌のたるみを改善する」も増加。ヒアルロン酸は、他の2つに比べると年代差が小さいものの「皮膚にうるおいを与える」「肌にハリを与える」が年代とともに増加傾向が見られた。
使ったことがない興味関心のある成分
今まで使ったことがないけれど興味関心のある成分について、あらためて聞いたところ、1位「ヒアルロン酸」12.0%、2位「ヒト幹細胞培養液」11.8%、3位「コラーゲン」11.4%という結果に。使用有無にかかわらず「ヒアルロン酸」と「コラーゲン」は興味関心の高い成分であることがわかった。
「コラーゲン」と「ヒアルロン酸」の認識
各成分について、どのような認識を持っているか聞いてみたところ、「コラーゲン」と「ヒアルロン酸」について、どちらも4~5割が「化粧品に配合されている」、2~3割が「エステや美容医療で使用されている」という認識を持っていた。一方で、「サプリや飲料に配合されている」については、コラーゲンが44.8%と、ヒアルロン酸21.6%の約2倍という結果となり、2成分の認識の違いも見られた。
また、「元々『顔や体』の中にある」や「元々『顔の肌』の中にある」という認識は、いずれもコラーゲンの方が高く、特に「『顔の肌』の中にある」については、コラーゲン34.8%に対し、ヒアルロン酸16.2%とこちらも約2倍の差が見られた。実際、コラーゲンもヒアルロン酸も肌の中に存在する成分だが、特にヒアルロン酸についての認識の低さが浮き彫りとなった。
「ヒアルロン酸」とは?
ヒアルロン酸は、体中に分布し、その半分以上が皮膚に存在する。皮膚で新しく「合成」されたヒアルロン酸は、1日~数日で約半分が「分解」されてしまうという。健全な肌では、ヒアルロン酸の"合成と分解のバランス"が保たれていて、シワ・たるみ部位では、このバランスが崩れていることが分かっている。肌の中に存在し、肌の内側で作られているヒアルロン酸だからこそ、合成を促進し、過剰な分解を抑制することが大切。また、健やかな肌を保つためにも「育む」という発想も重要だという。