プロゴス社は、AIビジネス英語スピーキングテスト「PROGOS」の受験データを活用し、「日本人の英語スピーキング力に関する調査」の結果を2024年6月17日に発表した。
同テストの受験者数は66万人、そのうち日本人のビジネスパーソン(一部、大学生を含む)は42万人が受験している。調査は、2020年6月以降の4年間で蓄積した大規模受験データを調査・分析し、日本人の英語スピーキング力の実態と課題を明らかにしたもの。
日本人のスピーキング力についてみると、「CEFR(ビジネスで英語を使用する際に求められるレベル)」における最多レベルは「A2High」(30%)で、英語で何らかの業務ができるレベルには達していないことが判明した。また、グローバルビジネスで通用するレベルである「B2」以上は7%という結果に。
一方、海外受験者の約3割が「B1High」で、「B2」以上が4分の1を超えていることが分かった。
主な職種別の受験者のB1以上、B2以上の割合をみると、グローバルビジネスで通用するレベルである「B2」以上レベルの割合が多い職種は、「人事・採用」、「コンサルタント」、「マーケティング」が約1割を超える結果に。
さらに、学生の受験者はほか職種と比較しても6割以上が「B1」、約2割が「B2」以上と、共に最もスピーキング力が高いことが判明した。
役職別の受験者のデータをみると、「B2」以上のレベルが1割を超えたのは「取締役・役員」のみだった。また、「B1」以上の割合については、「一般社員」(47.9%)が最下位だった一方、管理職と役員は軒並み半数を超えていることが判明。
主な業種別の受験者のデータをみると、「コンサルティング業界」は「B1」以上が60%以上と判明。一方、IT・インターネットをはじめとするほかの業種は、「B1」以上が50%を下回る結果に。
グローバル関連の事業・業務を行う部署と、企業全体のレベルを比較したところ、グローバル関連の部署の方がスピーキング力はやはり高い結果に。 だが、グローバルビジネスで通用するレベル「B2」以上の人はグローバル関連部署でも1割程度であることが分かった。
最後に、TOEIC L&RとPROGOSの両方を受けた69,350人の受験データを活用し、技能間の比較分析を実施。CEFRレベルを共通の尺度として比較したところ、リスニング力とリーディング力が「B2」以上の人でも、相応のスピーキング力を持つ人は18%にすぎないことが判明した。また、「B1」レベルを持つ人で比較した場合は、47%だった。