いわゆる「折りたたみスマートフォン」の中で、縦に折り曲げてコンパクトサイズになるフリップ式のモデルは持ち運びやすく、小さなカバンの中にもすっぽりと納まる大きさが特徴です。ただし同じスペックの一般的なスマートフォンより価格が高いのがネック。ところが2024年頭に発売された「Libero Flip」「nubia Flip 5G」は約8万円で提供されています。特にLiber Flipはキャリア販売で約4万円と、フリップ式スマートフォンとしては激安価格です。今回は台湾渡航時に持ち出して使ってみましたが、小さなボディーは海外での移動中でも邪魔にならず、カメラ性能も良く楽しく使うことができました。
Libero Flipはワイモバイルから、nubia Flip 5GはMVNOキャリアから販売されています(こちらはSIMフリーモデルもあり)。Libero FlipはZTE製、nubia Flipe 5Gはnubia製ですが、nubiaはZTEの関連会社でありどちらも同じベースのモデル、大きな違いは本体のカラバリです。本体サイズは開いたときが76×170×7.3mm、質量は214g。フリップ式としては若干重さがあるものの、価格の安さが魅力を引き上げます。開いたときのディスプレイサイズは6.7インチで、一般的なスマートフォンと変わりません。
本体性能は、チップセットがクアルコムのミドルレンジ向け「Snapdragon 7 Gen 1」、バッテリーは4,310mAhで充電速度は非公開ですが73分で満充電可能とのこと。またおサイフケータイも搭載しています。SIMカードはnano SIMカードとeSIMカードが利用可能。日常使いのスマートフォンとしても十分な性能です。
本体を閉じると手のひらに収まる小さな大きさになります。閉じたときのサイズは76×88×15.5mm。側面が角ばったデザインなので厚みがあるように見えますが、他社のフリップ式モデルも厚みは15mm程度なので大きく違いはありません。そして外側には円形画面も備えており、通知を見たり、閉じたまま写真を撮るときのプレビュー画面として使えます。カメラは5,000万画素。サブカメラに200万画素の深度測定を備えます。
外画面で使えるウィジェットはカメラ、天気予報、運動量計測、音楽プレーヤー、ストップウォッチ、録音もあるので、簡単なことは閉じたままでも操作できます。通知もこの画面で表示できるのが便利。
本体を開かずカメラが使えるので、ポケットから出してすぐに撮影に入ることができます。プレビュー画面は丸く見えますが、実際は縦長で撮影できます。自撮りをするときはたいていフロントカメラを使いますが、nubia Flip 5Gならメインカメラで自撮りできるのです。そのため室内や夜の屋外でも自撮りしやすいのです。
ヒンジは途中の位置で止めて使うこともできます。フリップ式モデルの大きな特徴でもあり、これによりスマートフォン本体の使い勝手は大きく高まるのです。
特にフロントカメラを使ってビデオ通話や自撮りをするときに便利です。最近はメッセンジャーアプリで通話する人も増えていますが、フリップ式スマートフォンならビデオ通話をするときも机の上に置くだけです。今回も通話OKの台北のカフェで日本の友人とビデオ通話を楽しみました(海外は通話できるカフェは多いようです)。ビデオ通話なら現地の様子をリアルに伝えることもできますね。なお相手の声が広がらないようにBluetoothヘッドホンを使うのがいいですね。
nubia Flip 5Gで台北の夜の風物詩、夜市の写真などを数枚取ってみました。今やどのスマートフォンを使っても日中の明るい場所での写真クオリティーはかなり高いので、夜景がどこまで撮れるかを試したのです。屋台や食事を撮りましたが十分な画質ではないでしょうか。
ハイエンドスマートフォンには性能はやや劣るものの、折りたためばポケットにも入るフリップ式スマートフォンのnubia Flip 5Gなら旅行先でも邪魔にならず、写真撮影やビデオ通話も手軽に楽しむことができます。販売ルートも広がってきており、価格もだいぶ手頃になってきています。折りたたみスマートフォンデビューにも向いた1台と言えるnubia Flip 5G、家電量販店などでも展示されているので気になる人はぜひ実機を触ってみてください。