WWDC24で発表されたiOS 18の新機能のひとつに、「衛星通信経由のメッセージ」があります。文字どおり衛星通信を利用しメッセージアプリでやり取りするこの機能、人里離れた山奥や海の上など、モバイル回線やWi-Fiで通信できない場所でもメッセージの送受信が可能になります。
ところで、Appleは2022年に「衛星経由の緊急SOS」をiPhone向けに提供開始しています。衛星経由の緊急SOSとは、緊急時にテキストメッセージの送受信を通信衛星経由で行う機能で、一部の国・地域および特定のiPhone(iPhone 14以降/iOS 16.1以降など)で利用できます。
「衛星通信経由のメッセージ」は、この「衛星経由の緊急SOS」の延長線上にある機能です。携帯電話やWi-Fiの電波が届かない場所にいるとき、メッセージアプリから最寄りの通信衛星に直接接続し、iMessageやSMSでテキストと絵文字を送受信します。
しかし、2024年6月現在、残念ながら日本では「衛星経由の緊急SOS」のサービスが提供されていません。iOS 18で導入される「衛星通信経由のメッセージ」も同じ技術を利用するため、先行してサービスを提供するとは考えにくく、iOS 18が公開される2024年秋に利用可能になるとは考えにくいのが現状です。
なお、日本で販売されたiPhone 14以降のモデルもハードウェアとしては「衛星経由の緊急SOS」に対応しているため、アメリカなどサービス対象国・地域へ持ち込めば利用できます。「衛星通信経由のメッセージ」も同様と考えられるため、海外旅行する際にはそのメリットを実感できることでしょう。