新番組『ウルトラマンアーク』(7月6日スタート テレビ東京系毎週土曜9:00〜)プレミア発表会が6月21日に行われ、メイン監督を務める辻本貴則監督と主要キャストがステージに現れ、作品にかける強い意気込みと見どころを語った。

  • 前列左から、天野ひかる、水谷果穂、金田昇、ウルトラマンアーク、戸塚有輝、西興一朗、ユピー、後列左から、桜野羽咲、相田詩音、花宮ハナ、ウルトラマンアーク(ルナアーマー)、ウルトラマンアーク(ソリスアーマー)、貴水博之、浅倉大介、辻本貴則監督

最新ウルトラマンシリーズ『ウルトラマンアーク』は、子どもたちの「夢見る力」をかきたて、希望に満ちた明るい未来への架け橋となる作品を目指す、明るくハートフルにして勇壮なヒーロー像を描く連続特撮ドラマだという。ウルトラマンアークとは、はるか彼方の銀河系から地球に降り立った光の使者・ルティオンが、豊かな「想像の力」を持つ主人公・飛世ユウマと一体化を果たした姿。迫りくる危機から地球の未来を守って戦う、ウルトラマンアークの活躍に期待したい。

■『ウルトラマンアーク』プレミア発表会に戸塚有輝らキャスト陣集結

イベント開幕早々、ステージにレッドキングが襲来。そこに現れた飛世ユウマは、アークアライザーにアークキューブを装填し、ウルトラマンアークへと変身。レッドキング、シャゴンという2大怪獣を相手に、迫力のアクションで激闘を繰り広げた。ウルトラマンアークは、ユウマの夢見る力、想像する力によってパワーアップを果たす。太陽の鎧・ソリスアーマー、月の鎧・ルナアーマー、そして必殺剣アークアイソードを駆使してレッドキングとシャゴンを退けたウルトラマンアークの雄々しい姿が強い印象を残した。

やがてステージには、飛世ユウマ役の戸塚有輝、石堂シュウを演じる金田昇、夏目リン役の水谷果穂、伴ヒロシを演じる西興一朗と、第1話をはじめ、作品世界の根幹を築くエピソードをクリエイトしたメイン監督・辻本貴則監督が登場した。

本作では、地上に出現する巨大怪獣に武力で対抗を試みる「地球防衛隊」がある一方で、怪獣災害の発生・甚大化を防ぐべく、地域に密着して科学調査や避難誘導を行う団体「怪獣防災科学調査所=通称SKIP(スキップ)」が活動している。飛世ユウマはSKIPの星元市分所に3カ月前から入所した、新人調査員という設定。大勢のウルトラマンファンが期待を寄せる中、戸塚は「怪獣災害で傷つき、悲しい思いをした人たちを救いたい! という思いを持ち、素直で成長した、まっすぐな青年です。撮影で、ユウマとして過ごした日々は夢のようでした」と、ユウマのキャラクターを説明し、夢見る力、想像の力の強いユウマを演じられたことに喜びを示した。

理知的な雰囲気を備えるメガネとスマートなスーツ姿が強い印象を残す石堂シュウを演じる金田は「シュウは地球防衛隊からSKIPに派遣された特別調査員。異なる立場から、みんなとコミュニケーションを取ったり、地球防衛隊としての任務をこなすところなどを見てほしい」と、他のSKIPメンバーとは立ち位置の異なる自身の役どころを説明した。

面倒見のよいユウマの先輩SKIP調査員・夏目リンを演じる水谷は「リンは機械工学が得意な理系女子。明るくさっぱりした性格です。メンバー紅一点ということで、画面に華やかさが出るようがんばりたいです」と、機械に強い役柄であることをまばゆい笑顔を交えながら語った。

SKIP星元市分所の所長を務める伴ヒロシを演じるのは、スーパー戦隊シリーズ『爆竜戦隊アバレンジャー』(2003年)で特撮ヒーローを1年間経験した「ヒーローの先輩」でもある西興一朗。西は自身の役どころについて「所長といってもかたくるしいところはなく、メンバーと一緒になって事件を解決していく、気さくな人物です。僕の出るシーンはコメディパートであることが多いので、ぜひ楽しんでほしい。ふつうのおじさんを楽しんで演じます」と、今回は変身せずに若いユウマやシュウを見守るポジションであることを強調した。

これまでウルトラマンシリーズの各エピソードでも活躍してきた辻本監督だが、今回の『ウルトラマンアーク』では作品世界の基礎作りからメインキャラクターの設定固め、キャスティングなど骨子の部分から携わる「メイン監督」となった。辻本監督は「これまでウルトラマンシリーズ(ニュージェネレーション)を7期やってきて、こんどのアークが8期目となります。まさかのメイン監督オファーをいただいたときは、ついに来た来た! と身構えました(笑)。8年間の思いを映像にぶつけました。昨年の『ウルトラマンブレーザー』と同じく、今回も新怪獣がたくさん出てきますので、ぜひ楽しみにしてください!」とメイン監督の意気込みを熱く語った。

本作の見どころについて、西は「ユウマは感情移入しやすいキャラクターなので、お子さんのファンが増えるかもしれません。テレビを観てくださるみなさんと一緒になって盛り上げていきたい」と、ユウマを中心にしたキャラクタードラマの魅力を強く推した。水谷は「リンが開発したAIロボット・ユピーをおすすめします。ユピーは変形機能があったり、表情豊かだったり、とても可愛いですのでみなさん愛着がわき、大好きなロボットになると思います!」と、優秀な性能を誇ると共に愛らしい外見をしたユピーの人気が高まることに期待を示した。金田は「シュウはエリート街道を歩んできたクールな男なのですが、大好きなコーヒーが飲めないと辛抱することができず、いつものシュウとは思えないような豹変を見せますので、これは見どころだと思います」と、本格的なコーヒーをこよなく愛する一面を見せるシュウに、多くの人が注目してほしいと希望した。戸塚は「この作品には、あたたかい雰囲気が感じられます。全体的に昭和っぽさ、ノスタルジックなところが大事な要素だと思いながら、撮影に取り組んでいます!」と、令和の最新ヒーロー作品でありながら、ウルトラマンの原初的な魅力を打ち出した「昭和」風の演出がいたるところで確認され、それが作品のムードとなって表れていると語り、目を輝かせた。

辻本監督は「SNSを見ますと、ウルトラマンアークには僕の『帰ってきたウルトラマン』への愛が溢れていて、ところどころ漏れているという意見が見られるんですよね。僕としては、自分の好きなウルトラマンを作ってもいいよと言われたから、子ども時代から大好きな『帰ってきたウルトラマン』に寄せただけ。それなのに、愛情があふれ出ると言われています。現在、仕上げ作業の最中なのですが、改めて映像を観返してみると、ああ、溢れているなって思いますね(笑)、それは僕のDNAに、『帰ってきたウルトラマン』がしみこんでいるから。今度はみなさんのDNAに、『ウルトラマンアーク』をしみこませたい」と、自身の原体験となる『帰ってきたウルトラマン』(1971年)の作品世界やストーリー展開、そしてキラキラ輝くオープニングタイトル映像、流麗なタイトルロゴに至るまで、強い影響を受けていると興奮気味に話していた。辻本監督は、眩しい光に世界が包み込まれるようなオープニング映像の撮影について「自然と、『帰ってきたウルトラマン』風になってしまいましたね。あれってCGじゃなくて、いくつも並べたビーズ球に照明を当て、クルクル回しながらフォーカスをぼかして撮影しています。そういったアナログならではの手法を用いた、こだわりのカットが本編の随所にありますから、注目してください」と、映像表現のクオリティの高さに自信を見せつつ、見どころを語った。

■変身ポーズチャレンジ

続いて、戸塚(ユウマ)がウルトラマンアークに変身するために必要なアークアライザーとアークキューブの商品を使い、登壇者が「変身ポーズチャレンジ」を行うコーナーへ突入。戸塚だけでなく、自分もウルトラマンへの変身体験ができる! と聞いた西はいきなりテンションが上がり「ウルトラマンになれるんだ~! 嬉しいです」と喜びを示した。人数分のアークアライザーが足りない? というアクシデントがあったようだが、そこに優秀なAIロボ「ユピー(声:広瀬裕也)」がかけつけ、無事に戸塚以外のメンバー4人にアークアライザーとアークキューブを渡し「ユピーにおまかせ!」と決めゼリフを発して頼りになるところをアピールした。

辻本が「西さん、5人で変身ですよ!」と、別な世界でチームを組んで悪と戦う特撮ヒーローだった西を刺激する言葉を発すると、ノリのいい西は「みんな、チェンジだ!」と右手を前に出して元気莫大なポーズを取り、会場になごやかな笑いを誘い込んだ。

戸塚からアークアライザーの操作方法をレクチャーしてもらいながら、辻本監督、西、金田、水谷は見事ウルトラマンアークへの変身ポーズを決めてみせた。すると、神秘的な効果音と共に、ふたたびウルトラマンアークがステージ上へと登場した。

変身ポーズチャレンジの際、聞こえてきたのはルティオン=ウルトラマンアークの声。この声を演じたのは、ベテラン俳優として数々のテレビドラマ、映画などで活躍する萩原聖人だったことが明かされた。萩原は映像メッセージという形で「ウルトラマンシリーズに参加できるというのは、俳優としての夢のひとつでした。僕は初代『ウルトラマン』から『ウルトラマンレオ』までは完全網羅してますからね(笑)。ウルトラマンからいろいろなことを教わり、与えられてきたから今の自分がいます。だからこそ、死ぬまでに1度はウルトラマンに出ていなきゃダメでしょ、という思いがありました。辻本監督とは以前ご一緒したとき、波長があったんでしょうね。いつかまた……と話していましたが、まさかウルトラマンで再会できるとは、と驚きました。僕はユウマの父親役で出演もしています。ユウマの人生に大きな影響を与える役。そこも見どころです」と、自身が子どものころから愛してきたウルトラマンシリーズに、俳優として関わることができた喜びを率直に示し、これから始まるユウマとウルトラマンアークの物語を応援してほしいと呼びかけた。

次に、オープニング主題歌「arc jump’n to the sky」を手がけるaccessの2人(浅倉大介、貴水博之)がステージに登場。浅倉は「僕たちにとってもウルトラマンは子どものころからのヒーロー。夢を見ること、想像することの大切さをテーマにしたウルトラマンアークに共感し、そのイメージのまま曲を作りました」、貴水は「accessもふだんから『未来への希望』などをテーマにした楽曲を発表しているので、アークの世界観とシンクロしていると思いました。聴いてくれた人たちの気持ちがポジティブになってもらえれば」と、どちらもaccessとウルトラマンアークのコンセプトが共通していることを強調し、作品の前向きなイメージを強く打ち出した楽曲が誕生したことに、大きな喜びを示した。2人はウルトラマンアークと固い握手を交わし「かっこいい!」「意外と(手が)あったかい!」と、感動しながらコメントを残した。

そして、エンディングテーマ(前期)「メラメラ」を歌う5人組アニソンボーカルユニット「ARCANA PROJECT(アルカナ プロジェクト)」から、桜野羽咲、相田詩音、花宮ハナ、天野ひかるが登場。メンバーを代表し、天野が「長い歴史のあるウルトラマンシリーズに、歌で携わらせていただけること、嬉しく思います。メンバーひとりひとりにウルトラマンの思い出があり、それらの思い出を胸に歌わせていただきました」とにこやかな笑顔で挨拶した。楽曲については「自分自身の手で未来を切り拓いていくという、強いメッセージ性のある曲。思わず踊りたくなるような、ポップで明るい曲調です」と、出来栄えに自信をのぞかせた。

最後にマイクを手にした戸塚は「今日ここで、ウルトラマンアーク、そしてSKIPが第一歩を踏み出しました。この勢いのまま、最後まで全身全霊、走り抜いていきたいです。よろしくお願いいたします!」と、キャスト陣とスタッフが持てる力を注いで作り上げた『ウルトラマンアーク』が、多くの人々から愛され、応援される作品になってほしいと力強くアピールを行い、目をキラキラと輝かせた。