アイドルグループ・WEST.の小瀧望が、ミュージカル『DEATH TAKES A HOLIDAY』の主演を務めることが22日、明らかになった。

小瀧望

原作は、イタリアの劇作家アルバート・カゼッラによる戯曲『La morte in vacanza』(1924)に基づき、ウォルター・フェリスが1929年に『Death Takes A Holiday』として英語で戯曲化。その後、同タイトルで1934年にフレドリック・マーチ主演で映画化(邦題:明日なき抱擁)、1998年にはブラッド・ピット主演で『ミート・ジョー・ブラック(邦題:ジョー・ブラックをよろしく)』としてリメイクされた。

オフ・ブロードウェイミュージカル版は、『TAITANIC』で成功を収めたピーター・ストーン(脚本)とモーリー・イェストン(作詞・作曲)のコンビにより産み出され(2003年ピーター没後、トーマス・ミーハンが執筆を継承)、オフ・ブロードウェイで2011年6月〜9月に初演、その後2017年1月〜3月にはオフ・ウエストエンドのチャリングクロス劇場で上演された。日本では2023年に宝塚版が上演され、大きな話題を呼んだ。

今作の主演には、WEST.のメンバーとして活躍するのみならず、2021年には舞台『エレファント・マン』での演技が評価され、第28回読売演劇大賞の杉村春子賞を受賞した小瀧望を迎え、死神/サーキ役を演じる。

ヒロインのグラツィアは、ドラマ、CMなど多くの映像作品に出演しつつも、近年ではコンスタントに舞台出演を果たし活躍の場を広げている山下リオと、宝塚歌劇団月組トップ娘役として活躍後大学院に進学、退団後初の舞台出演となる美園さくらがWキャストで演じる。

さらに、エリック役に東啓介、コラード役に内藤大希、アリス役に皆本麻帆、デイジー役に斎藤瑠希、ヴィットリオ役に宮川浩、ステファニー役に月影瞳、ダリオ役に田山涼成、エヴァンジェリーナ役に木野花と、実力派の俳優が名を連ねた。演出は生田大和(宝塚歌劇団)が宝塚版に引き続き務める。

東京公演は東急シアターオーブにて9月28日〜10月20日。大阪公演は梅田芸術劇場メインホールにて11月5日〜16日。

■演出:生田大和(宝塚歌劇団) コメント

明日が来なくても、愛は消えない――
生きる事。愛と死。そして命とは何か。
敬愛するモーリー・イェストン氏の楽曲にのせて、死神の視点で人生の意味を問いかける、このミュージカルを、主演・死神(と、東欧からやってきたチャーミングなプリンス!)役の小瀧さんをはじめ、個性と技量、それぞれの経験豊かな俳優の皆様、この作品を愛するクリエイター・スタッフ陣と共に創ることができる事に、喜びと幸せを感じています。この「出会い」によって起きるであろうケミストリーに、私自身、ワクワクしています。どうぞ、ご期待ください!

■小瀧望 コメント

まさか死神という、人間ではない役を演じる事になるとは思ってもいませんでした。元々この作品の映画(リメイク版)が好きで、ブラッド・ピットさんが演じられた役ですので、同じ役に挑める事にプレッシャーを感じつつも興奮しています。死神が人間の力や姿を借りて下界に降りてくるというファンタジーであり、難しい役どころを、手探りで進めていくことになると思いますが、とても楽しみです。ありふれた役じゃないだけに役者冥利に尽きます! 頑張りたいと思います。

【編集部MEMO】
ミュージカル『DEATH TAKES A HOLIDAY』あらすじ
人類が史上未曾有の“死”に取り憑かれた第一次世界大戦の悪夢から覚め、“狂乱の”1920年代が始まって間も無い頃の物語。深夜、イタリア北部の山道を“飛ばして”走る一台の車があった。乗っているのはランベルティ公爵一家。一人娘グラツィアの婚約をヴェニスで祝った帰りなのだ。だが一家を乗せた車を悲劇が襲う。突如現れた“闇”にハンドルを取られた車がスピンし、グラツィアは夜の闇へと投げ出されてしまう。大事故に遭ったにもかかわらず、まるで何事も無かったかのようにグラツィアは無事だった。彼女の無事に安堵する一同。しかしグラツィアは、自身に“何かが”起こったと感じていた。同じ夜遅く、死神がランベルティ公爵の元を訪ねる。一人孤独に、死せる魂を“あちら側”へと導き続ける事に疲れ果てた死神は、2日間の休暇を公爵一家と共に過ごす事にしたが……。