米Frameworkが、13インチノートPC「Framework Laptop 13」用のメインボードのラインナップに、RISC-V SoCを搭載した「DeepComputing RISC-V Mainboard」を追加する。このボードは香港のDeepComputingとのパートナーシップによるもので、RISC-V Summit Europe(6月24日〜28日)で初期プロトタイプのデモを披露する。
Frameworkは、オープンアクセスと優れた修理可能性に根差したノートPCを開発・販売しており、同社のFramework Laptopシリーズは、自作デスクトップPCのように自由にパーツを交換・アップグレードでき、モジュールで柔軟なカスタマイズが可能である。
DeepComputing RISC-V Mainboardは、DeepComputingがFramework Laptop向けに独自開発したメインボードで、SiFiveのJH7110 SoCを採用している。U74 RISC-Vコア(最大1.5GHz、32KB D-Cache、32KB I-cache)を4つ搭載し、メモリーははんだ付けされており、ストレージにeMMCおよびMicroSDカードを使用する。DeepComputingは、Canonical、Red Hatと協力し、Ubuntu Desktop、Ubuntu Server、FedoraデスクトップOSのサポートを提供する。
Intel製またはAMD製のプロセッサを搭載したFramework Laptop用メインボードに比べると、DeepComputing RISC-Vのシステム性能は劣る。しかし、Frameworkは最初のRISC-Vのメインボードを、開発者、技術・電子工作やプログラミングの愛好家、ホビイスト向けとしている。RISC-Vの一般的な認知度は低いが、完全にオープンな命令セット・アーキテクチャ(ISA)であること、カスタマイズ性や柔軟性、開発者にとって使いやすい環境や急速に成長するエコシステムといったメリットが、多くの業界や開発者コミュニティで注目されている。RISC-V搭載のノートPCを実現することでそれらのニーズに応えることは、Frameworkが推進するオープンアクセスの理念と合致する。
Framework Laptop用のメインボードは、メインボードケース「Framework Laptop 13 Cooler Master Mainboard Case」(39ドル)に収納し、ストレージやメモリー、電源、モニターを接続することで、ミニPCのように使用できる。DeepComputing RISC-V Mainboardもこのメインボードケースに対応するように設計されている。